デイサービスやショートステイを運営する上で、避けて通れないのが建物の老朽化です。 5年、10年、15年……。大切に使っていても、設備には必ず「寿命」がやってきます。
先日、わたしの事業所でも乾燥機が動かなくなりました。 自力での修理を試みましたが、素人では限界。業者に依頼してどうにか直したものの、もし買い替えとなれば1台100万円‥。さらにお風呂を沸かすボイラーも交換時期を迎えており、こちらは1台40万円…。
燃料代も物価も跳ね上がっている今、この「数十万、数百万」という修繕費が、経営にどれほど重くのしかかるか。正直、ため息しか出ません。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
・Xでも発信しています。
詳しい自己紹介はこちら。
書籍第2弾!『学び続ける生活相談員』が Kindleにて発売中です!

学び続ける生活相談員: キャリアを腐らせない福祉職の思考習慣
380円。ちょうど「カフェのコーヒー1杯分」のお値段です。その1杯を、あなたの10年後のキャリアを守る知識に変えませんか?
Kindle Unlimited会員なら、今すぐ「0円」で読み放題。
「1人400円」の収入で、どうやって直せというのか
なぜこれほどまでに設備投資が苦しいのか。それは、介護報酬という「売上の天井」が決まっているからです。
-
入浴の事業所収入: 1人あたり約400円
-
利用者の自己負担: 約40円
たったこれだけの収入を積み上げて、数百万の設備を維持し、光熱費を払い、スタッフの給与を捻出する。どう計算しても、今の報酬体系で高額な設備更新をスムーズに行うのは「計算が合わない」のです。
わたしたちにできる、せめてもの抵抗
「収入を上げられない」というルールの中で、箱モノを守り、サービスを継続するためには、次のような「泥臭いやりくり」で食いつなぐしかありません。
「素人修理」で限界まで粘る
まずは自分たちでバラし、清掃し、なんとか動かないか試行錯誤する。業者を呼ぶだけで数万円が飛ぶ時代、この「悪あがき」が最初の防衛策になってしまっています。
致命傷になる前の「徹底清掃」
新しいものは買えない。だからこそ、今あるものを1日でも長く持たせる。フィルター掃除や日常点検といった、当たり前すぎる「延命処置」を徹底するしかありません。
「壊れる前提」の積み立て
今の薄利な報酬の中から、血を吐くような思いで修繕費を少しずつプールしておく。本来なら処遇改善やサービス向上に回したい資金を、機械の寿命のために削る。これが今のリアルです。
◆ 生活相談員の基礎知識はこちら
◆ おすすめ書籍はこちら![]()
◆ さらに深く学ぶなら
◆ 介護の資格・転職なら
さいごに
これは箱モノ施設に限らず、訪問介護の車両維持など、すべての介護現場が直面している課題です。
「壊れたから買い替える」という当たり前のことが、介護現場では「事業所の運命を左右する決断」になってしまいます。現場の皆さん、本当にこれ以上の「やりくり」が必要なのでしょうか。 それでもわたしたちは、今日来てくれる利用者のために、箱を守り続けなければなりません。

