生活相談員の基礎知識

「取り立て屋じゃないのに…」生活相談員が未収金対応で病まないための心得

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「生活相談員として、誰かの役に立ちたい」

そんな志を持ってこの仕事に就いた人ほど、「利用料の未収金対応(督促)」という業務に直面したとき、激しい自己矛盾に陥ります。

先日、X(旧Twitter)でこの悩みをポストしたところ、共感のお声をいただきました。

本来、わたしたちの専門性は「対人援助」のはず。

それなのに、なぜわたしたちは、支払いの滞ったご家族へ「借金の取り立て」のような電話をかけなければならないのでしょうか。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

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このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

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なぜ、未収金対応で病んでしまうのか

相談員がメンタルを削られるのには、明確な理由があります。

正当な主張なのに「悪者」にされる

 サービスを提供した対価を求めるのは当然の権利です。しかし、督促をすれば「お金、お金ってうるさいな」という空気感を出されたり、避けられたりする。この「理不尽さ」が心を摩耗させます。

ショートステイ特有の「音信不通」

デイサービスのように毎日顔を合わせるならまだしも、ショートステイは1回利用してそのまま連絡が取れなくなるケースがあります。こうなると、援助の枠組みを超えた「債権回収」の側面が強くなり、仕事の目的を見失ってしまいます。

板挟みの孤独感

ケアマネジャーに相談しても「基本は事業所と家族で」と突き放される。結局、相談員がひとりで矢面に立ち、誰にも理解されないまま督促業務を背負い込むことになります。

心を守るための「3つの心得」

この「嫌な業務」から自分を守り、メンタルを維持するためには、いくつかの「心のスイッチ」を切り替える必要があります。

① 「運営を守ること」は「他の利用者を守ること」

未収金が放置されると、施設の経営が圧迫されます。経営が悪化すれば、今、わたしたちが支えている他の多くの利用者様へのサービスが維持できなくなります。 「督促は、今いる大切な利用者様の居場所を守るための防衛業務である」 そう定義し直すことで、罪悪感を「使命感」へと変換しましょう。

② 相談員という「役割」を演じる

督促電話をかけるときは、自分の人格で話すのではなく、「施設の事務手続きを代行するマシン」になりきることが大切です。 相手の家庭事情に深く入り込みすぎると、情が移って「お金の話をするのは申し訳ない」というブレーキがかかります。「支払期限が過ぎたので、確認の連絡を入れる」という事務的なタスクとして割り切る訓練が必要です。

③ 1人で抱え込まず「組織」の課題にする

「回収できないのは自分の交渉力が低いからだ」と自分を責めないでください。未収金は個人の問題ではなく、「施設のシステム上の課題」です。 上司や事務部門に現状を報告し、組織としてどう対応するか(内容証明を送る、法的な手段を検討するなど)を共有しましょう。自分ひとりで背負っている荷物を、組織の棚に半分降ろすことが重要です。

 

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まとめ

この「誰もが嫌がる仕事」を代行し、施設の秩序を守っている生活相談員がいるからこそ、福祉の現場は回っています。

もし今日、督促の電話で嫌な思いをしたのなら、自分にこう言ってあげてください。 「わたしは今日、施設と、他の利用者様の安心を守る仕事を全うした。わたしは決して悪者ではない」と。

気持ちを切り替えて、また明日から、わたしたちが本来やりたかった「誰かを支える仕事」に向き合っていきましょう。