介護現場のICT化が進む中、大きな注目を集めているのが「ケアプランデータ連携システム」です。
しかし、実際に現場で働いている皆さんは
「正直、まだ実感がわかない」
「うちはまだFAXだよ」
という状況ではないでしょうか。
今回は、このシステムがなぜ普及しないのか、そして2026年度(令和8年度)から何が変わるのかを整理して解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
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そもそも「ケアプランデータ連携システム」とは?
厚労省が推進するこのシステムは、ケアマネジャーと介護サービス事業所の間でやり取りされる「ケアプラン」や「サービス提供票(予定・実績)」を、オンライン上でデータとして共有する仕組みです。
現在、多くの事業所では以下の3つの方法が主流です。
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郵送(送料と時間がかかる)
-
持参(移動の手間がかかる)
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FAX(いまだに主流。印刷代や送信エラーのリスクがある)
これらがデータ化されれば、転記ミスがなくなり、事務作業の時間は大幅に短縮されるはずです。
なぜ、これまで普及しなかったのか?
「便利になる」とわかっているのに、なぜ導入が進まなかったのか。そこには現場ならではの切実な理由がありました。
導入コストの壁
最大の理由は、年間数万円のシステム利用料がかかることです。経営側からすれば「今までFAX(無料)でできていたことに、なぜお金を払うのか」という議論になりがちです。
「相手」がいないと意味がない
このシステムは、ケアマネ側と事業所側の双方が導入していて初めて成立します。自分が導入しても、連携先のケアマネが導入していなければ、結局これまで通りFAXでやり取りするしかありません。この「二の足を踏む」状況が長く続いてきました。
厚労省の「初手のミス」
現場の正直な本音を言えば、「最初から無料にしていれば、今ごろ全事業所が導入していたはず」です。有料にしたことで、導入のハードルを自ら上げてしまった印象は拭えません。
2026年度(令和8年度)からの大きな変更点
これまでの「任意」に近い形から、国はいよいよ「実質的な義務化」へと舵を切りました。
補助金や加算の「要件化」
2026年度から、介護事業所向けの各種補助金や処遇改善に関する要件の中に、「ケアプランデータ連携システムの導入」が盛り込まれることになります。
つまり、「システムを導入していないと、もらえるはずのお金がもらえない」という状況になるわけです。
現場はどう動くべきか
もはや「導入するかどうか」ではなく、「いつ、どうやってスムーズに移行するか」を検討するフェーズに入りました。これまでは「様子見」だった事業所も、2026年に向けて一斉に導入を開始することが予想されます。
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まとめ
正直なところ、国の補助金と紐付けた「後出し」のようなやり方には、現場として振り回されている感覚もあります。
しかし、最終的に紙のやり取りやFAXの送信確認から解放されれば、事務作業の負担が減り、本来の業務である「利用者支援」に集中できるようになります。
2026年度、周辺のケアマネ事業所とも情報交換をしながら、少しずつ準備を進めていくのが賢明と言えそうです。

