介護・福祉情報

「マニュアル通り」が最高のケアではない?介護現場で忘れがちな視点

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どの介護現場にも必ずある「マニュアル」「ケアプラン(個別支援計画書)」

わたしたちは日々、そこに書かれた内容をもとに、利用者様一人ひとりと関わっています。

「計画通りに、約束したケアを確実に提供する」

これはプロとして当然のことであり、安全を守る上でも非常に大切なことです。しかし、そこに集中するあまり、「ある重要な視点」を置き去りにしてはいないでしょうか。

 

この記事を書いた人


takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでの発信もしています。

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状態は日々変わる。でも、プランはそのまま?

たとえば、あるご利用者の入浴介助の場面を想像してみてください。

入所当初は身体機能(ADL)の低下により、「リフト浴(座ったまま入るお風呂)」での対応が計画されていました。

その後、その方はリハビリを一生懸命頑張られ、職員の付き添いがあれば歩けるようになり、立ち座りもスムーズにできるようになりました。

それなのに、現場では「計画書にリフト浴と書いてあるから」という理由だけで、リフト浴を続けてしまう……。そんな光景、心当たりはありませんか?

「決まり事」をこなすのは作業、変化に気づくのが「仕事」

もちろん、決められたことを完遂するのは大事です。

ですが、人間は日々変化します。良くなることもあれば、少し調子が落ちる日もあります。

「あれ、今日はいつもより足が上がっているな」

「この動作なら、リフトを使わなくてもいけるかもしれない」

こうした「目の前の変化」に気付き、柔軟に対応を変えていく姿勢こそが、本当の意味でのケアではないかと思うのです。

マニュアルをなぞるだけなら、それは「機械的な作業」に近いかもしれません。しかし、介護は人と人との関わりです。相手の状態を観察し、今のその人に最適な方法を考え抜く。そこにこそ、介護職としての専門性とやりがいがあるはずです。

トヨタの「改善」に学ぶ、現状を疑う力

世界のトヨタが「カイゼン」を大切にしているのは有名ですが、その根底にあるのは「今のやり方がベストだと思わず、常に疑い、より良く変えていく」という発想です。

介護の現場も全く同じではないでしょうか。

「以前はこう決まっていたけれど、今の状態ならこう変えたほうが、この方の自立につながるんじゃないか?」

そうやって現場の職員が意見を出し合い、プランを更新していく。

「言われた通りにやる」のが仕事ではなく、「今のベストを模索し続ける」のが、わたしたちの本当の仕事なのだと感じています。

 

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おわりに

マニュアルや計画書は、あくまで「指針」です。

それに縛られて目の前の利用者様の「可能性」を見逃してしまっては本末転倒ですよね。

「決められたことを守る」責任感と、「変化に気づく」柔軟性。

この両輪を大切にしながら、明日からのケアに取り組んでいきたいものです。