「専門性」と聞くと、「何でも知っている人」「質問したらすぐ答えが返ってくる人」そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
たしかに、知識の深さは専門職にとって大切です。
しかし、わたしは日々の現場で働く中で、本当の専門性は“わかりやすく伝えられる力”にあると感じるようになりました。
どれだけ知識があっても、相手に伝わらなければ意味がありません。
専門職である以上、「相手が理解できる言葉で説明すること」こそが専門性の核心ではないでしょうか。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
・Xでの発信もしています。
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社会福祉士として現場で感じる「伝わらない専門用語」
わたしは介護・福祉の現場で社会福祉士として働いています。
現場では専門職同士で当たり前のように専門用語を使います。
たとえば、よく使われる言葉に 「ADL」 があります。
ADLとは「日常生活動作」のことで、
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食事を自分で食べられる
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トイレに行ける
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お風呂に入れる
といった、日常の基本的な動作を指します。
専門職同士なら、「ADLが低下していますね」で会話は通じます。
しかし、もしご家族に対して、「ADLが低下しているので介護認定を検討しましょう」と伝えたらどうでしょうか。
多くの方は「ADLって何のこと?」と戸惑ってしまうはずです。
説明する側は“いつもの言葉”を使っているだけでも、聞く側にはまったく意味が伝わらない。
これは現場で本当によく起こります。
専門職に必要なのは「噛み砕く力」
では、どう伝えればよいのでしょうか。
たとえばADLという言葉を使わずに、
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「最近、歩くのが少し大変そうですね」
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「トイレまで行くのに時間がかかるようになっていますね」
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「以前よりも体の動きがゆっくりになっていますね」
このように相手がイメージできる言葉に置き換えるだけで、理解度は一気に上がります。
専門用語を使わないことは、知識がないことではありません。
「相手に合わせて翻訳できる力」こそが専門職の技術だと思っています。
説明できてこそ専門性
知識を持っているだけなら、それは「詳しい人」です。
しかし、
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相手の理解度に合わせる
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難しい言葉を使わない
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不安を和らげながら説明する
これができて初めて、「信頼される専門職」になります。
専門性とは、知識 × 伝える力 この掛け算で成り立つものではないでしょうか。
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まとめ|伝わる言葉を持つ専門職へ
介護・福祉の現場では、専門知識を持つ人はたくさんいます。
その中で本当に必要とされるのは、「わかりやすく伝えられる人」 です。
専門知識を持っているだけでは、相手にとって「頼れる専門家」にはなりません。
大切なのは、相手が理解できる言葉に変換できること。
難しい専門用語をそのまま使うのではなく、相手の立場や知識量に合わせて噛み砕いて伝える。
それだけで、相手の安心感も信頼感も大きく変わります。
もしあなたが、「もっと専門性を高めたい」「現場で信頼される存在になりたい」
そう感じているなら、まず意識してほしいのは知識の量ではなく伝え方です。
“わかりやすく説明できる人”は、どの現場でも必要とされます。
今日からひとつだけ、「この言葉、相手に伝わっているかな?」と立ち止まって考えてみてください。
その小さな積み重ねが、あなたの専門性を確実に育てていきます。


