介護支援専門員(ケアマネジャー)の更新制廃止というニュースが話題になっています。
長年続いてきた制度が見直されるということで、現場ではさまざまな声が上がっています。
厚生労働省は「研修の重要性は変わらない」としていますが、その言葉を聞いてどこか引っかかりを覚えた方も多いのではないでしょうか。
ー制度が変わっても、結局は研修ありきの構造が続くのではー
「研修の重要性は変わらない」と言いながら、それが本当に専門性を高めている根拠は示されない
更新制の廃止と言っても、結局は研修ありきで進む議論に、研修制度の形骸化と関係各所の利害関係を感じてしまいます https://t.co/UhljNz5gnG— takuma@生活相談員 (@takuma3104) October 26, 2025
この記事では、更新制廃止の背景を整理しながら、研修制度の「質」という観点から、これからのケアマネジャーに本当に必要な学びのあり方を考えていきます。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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厚労省が打ち出した「更新制廃止」の方針
厚生労働省は、2025年10月27日の社会保障審議会・介護保険部会で、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格更新制を廃止する方針を示しました。
人材確保の難しさや高齢化を背景に、「研修や更新の負担を減らし、利用者と向き合う時間を増やす」ことが狙いとされています。
これまで更新研修を受けるには数日間の休みや費用が必要で、現場のケアマネにとって大きな負担となっていました。
その負担軽減を目的とした“更新制廃止”は、表面的には歓迎される動きです。
「研修の重要性は変わらない」その言葉の裏にある疑問
しかし、厚労省は同時に「研修の重要性は変わらない」とも明言しています。
つまり、更新制はなくなっても、研修は続くということです。
ここで多くのケアマネが感じるのは、「研修を続けることが、本当に専門性の向上につながっているのか?」という根本的な疑問ではないでしょうか。
研修を受けることが目的化し、「制度上の義務を果たした」として終わってしまう。
そんな現状に、研修の形骸化の兆しを感じる人は少なくありません。
形を整える議論から質を問う議論へ
今回の見直しでは、「研修時間の短縮」や「自由なタイミングで受講できる仕組み」など、受講しやすさの改善に焦点が当てられています。
しかし、それだけでは本質的な解決にはなりません。
いま求められているのは、「どうすれば研修が本当に現場の力になるのか?」という、研修の質そのものに対する議論です。
たとえば、
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現場の課題をテーマにした双方向型の研修
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事例の共有を通じて、実践知を積み上げていく仕組み
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他職種や地域との学びの連携
こうした「現場に根ざした学び」が伴わなければ、制度の見直しだけでは意味をなしません。
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まとめ
更新制の廃止は、一見するとケアマネにとって負担軽減の朗報です。
しかし、「研修の重要性は変わらない」という一言の裏には、「研修を続ける前提」を維持したままの構造が見え隠れします。
制度の仕組みを変えることはできます。
ですが、制度の中で何を学び、どう現場に還元するか。その中身を問い直さなければ、形だけの改革に終わってしまうでしょう。
これから求められるのは、学びを義務ではなく、現場の成長につなげる仕組みづくり。
制度が変わるこのタイミングこそ、「研修の質」を本気で見つめ直すチャンスなのかもしれません。

