介護・福祉情報

【遠距離介護の食事問題】宅食サービスが強い味方になる理由と選び方

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遠距離介護で最も多く耳にする不安のひとつが「食事」です。
高齢の親がしっかり食べているのか、栄養は足りているのか、台所で火を使っていないかなど、離れて暮らす家族にとって、日常の食事を直接確認することはできません。

実際にわたしが関わったケースでも、「食事」がきっかけで介護の必要性が浮き彫りになることがありました。今回はその実例も踏まえながら、遠距離介護の食事問題にどう関わるか、そして宅食サービスがなぜ強い味方になり得るのかを解説します。

 

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

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食事をめぐる遠距離介護の課題

ある高齢女性のケースをご紹介します。
ご家族は他県に住んでおり、女性はひとり暮らし。認知症の進行や意欲の低下から、自炊をほとんどしなくなっていました。台所に立つこと自体が億劫になり、気がつけばパンやお菓子だけで過ごす日もあったようです。

ご家族はヘルパーやデイサービスの利用を検討しましたが、いずれも毎日の利用は難しく、食生活を十分に支えることはできませんでした。結果として、低栄養や体力低下が進み、生活全体に影響を及ぼしてしまったのです。

このように遠距離介護では、

  • 自炊の中断(調理意欲の低下・認知症の影響)

  • 栄養バランスの崩れ

  • 食事の安全確保(火の使用・誤嚥リスク)

  • サービス利用の限界(ヘルパーやデイが毎日は使えない)

といった、日常生活に関わる課題が重なり合います。

宅食サービスが「強い味方」になる理由

こうした状況で注目されるのが宅食サービスです。単なる「お弁当の宅配」にとどまらず、遠距離介護を支える強力な仕組みとなり得ます。

1. 栄養バランスの確保

宅食サービスの多くは管理栄養士が監修し、塩分やカロリーを調整しています。
糖尿病・腎臓病・嚥下機能の低下など、健康状態に応じたメニューを選べるサービスもあり、偏りがちな食生活を改善できます。

2. 安全性

レンジで温めるだけの食事が主流で、火を使う必要がありません。
「ガスの消し忘れ」や「火災リスク」を避けられる点は、家族にとって大きな安心材料です。

3. 継続しやすい仕組み

週数回から利用可能で、冷凍保存して好きなタイミングで食べられるサービスもあります。
「今日は調子が悪いから料理したくない」というときの保険になるのも宅食の強みです。

4. 安否確認につながる

配達員が手渡しするサービスでは、安否確認の役割を果たすこともあります。
「インターホン越しに声を聞ける」「顔色を確認できる」といったやり取りが、孤立を防ぐ小さなセーフティネットになります。

宅食サービスのデメリット・課題

もちろん万能ではありません。

  • 1食あたり500〜800円程度とコストがかかる

  • 味が「薄い」「慣れない」と感じる高齢者もいる

  • ご本人が「必要ない」と感じて受け入れない場合も

  • 高齢になると習慣を取り入れることが難しい

大切なのは、「家族の安心」のために一方的に導入するのではなく、本人の生活リズムや好みなどを考慮しながら、高齢者自身を主体として調整していくことです。

選び方のポイント

宅食サービスを検討する際は、次の3つを意識すると失敗が少なくなります。

  1. 栄養・制限食への対応
    糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、制限食があるか要確認です。

  2. 利用回数と柔軟性
    「毎日」より「週3回」「必要時のみ」など、柔軟に選べるサービスがおすすめです。

  3. 安否確認機能の有無
    「配達員が手渡し」「アプリで家族が記録を確認」など、見守りの仕組みがあるかどうかも重要です。

宅食サービス比較表(主要サービス一覧)

サービス名 料金目安(1食あたり) 特徴 安否確認 対応メニュー
ヨシケイ「夕食ネット」 約500円〜 調理済み冷凍弁当や調理キットを自宅まで配送。夕食食材宅配No.1の実績。 一部地域で可 普通食、バランス食
ワタミの宅食ダイレクト 約500円〜 “冷凍惣菜”を宅配便でお届け。和食中心で高齢者に馴染みやすい味。 なし(常温版は手渡しあり) 普通食、減塩食
nosh(ナッシュ)
599円〜 低糖質・低塩分。見た目もおしゃれで若い世代にも人気。アプリで管理可能。 なし 低糖質・減塩・バランス食
メディミール
595円〜 管理栄養士&医療専門チーム監修。健康管理に特化。 なし 糖尿病・腎臓病・制限食あり
ウェルネスダイニング
600円〜 全国配送対応。健康制限食の専門宅配。累計利用者数多数。 なし 糖尿病・腎臓病・やわらか食
やわらかダイニング 650円〜 嚥下機能に配慮したやわらか食。冷凍で保存性も高い。 なし やわらか食、ムース食
Dr.つるかめキッチン
620円〜 専門医・管理栄養士監修。制限食に強く、疾患対応が充実。 なし 糖尿病・腎臓病・制限食
メディカルフードサービス
620円〜 累計600万食出荷。徹底した栄養管理で医療対応力が高い。 なし 糖尿病・腎臓病・制限食

相談員目線のおすすめベスト3

1位:ワタミの宅食ダイレクト

  • 和食中心で「食べ慣れた味」が安心材料に。

  • 高齢者が受け入れやすく、継続利用しやすい。

  • 常温版(通常のワタミ宅食)では配達員が安否確認もしてくれる。

【ワタミの宅食ダイレクト】

2位:メディミール

  • 医療専門チーム監修で、持病対応が安心。

  • カロリー・塩分・タンパク質などを細かく調整できる。

  • 「健康管理」と「食の楽しみ」を両立できる。

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3位:やわらかダイニング

  • 嚥下機能が低下している方でも美味しく食べられる。

  • 嚥下対応食は自宅調理が大変なので、遠距離介護で特に心強い。

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介護サービスと組み合わせる活用法

宅食サービスは、介護保険のサービスを補う「すき間支援」として機能します。

  • デイサービスやヘルパーが来ない日に活用

  • 栄養状態を安定させることで、入退院を防ぎやすくなる

  • 「ごはんがある安心感」で生活リズムを保ちやすい

遠距離介護においては、「介護保険サービス+宅食サービス」の組み合わせが現実的であり、家族にとっても負担を軽減できる方法です。

 

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まとめ

遠距離介護における食事問題は、本人の健康だけでなく、家族の不安にも直結します。
ヘルパーやデイサービスだけでは毎日の食生活をカバーできないケースも多く、その隙間を埋める存在として宅食サービスは非常に有効です。

宅食サービスは、

  • 栄養バランスの確保

  • 火を使わない安全性

  • 安否確認の役割

という3つの安心を同時に提供してくれる仕組みです。

大切なのは、本人が無理なく続けられる形で導入すること。
「食べること」は生きる力に直結します。遠距離介護に悩むご家族にとって、宅食サービスはたしかな味方となってくれるはずです。