生活相談員日誌(雑記)

助けたいけど、こわい…認知症と共に生きる社会のジレンマ

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「認知症に優しい町」――最近、そんな言葉を耳にすることが増えました。
地域全体で認知症の方を支えていこうという、温かくて前向きな取り組みです。
ですが、現実はどうでしょうか?

たとえば夜、帰宅途中。
暗い道の向こうから、独り言を言いながら歩いてくる高齢の男性がいたら。
あなたなら、声をかけますか?

わたしはたぶん、何もできずに通り過ぎてしまうと思います。

 

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

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やさしさと危機管理のあいだで

自分の子どもたちは学校で、「知らない人にはついて行っちゃだめ」「あやしい人には近づかないで」と教えてられています。
それはもちろん、子どもたちを危険なことや事件から守るためです。
そして、その教育は同時に、「見知らぬ人に声をかける」という行為に、どこかブレーキをかけてしまうのです。

認知症のある方が困っていたとしても、「危ない人だったらどうしよう」「自分が巻き込まれたら」と考えると、なかなか一歩を踏み出せません。

善意を行動に変えるむずかしさ

助けたいと思う気持ちは確かにある。
でもその気持ちを、いざというときに行動に移すのは本当に難しい。
どうしたらいいか分からない。自分にできるのか分からない。
むしろ、関わることで何かトラブルになったらどうしよう――

そんな思いがよぎると、つい心が立ち止まってしまうのです。

「やさしさ」があっても、それをどう表現すればいいか分からない。
このもどかしさこそが、わたしたちが今向き合っている現実なのかもしれません。

やさしさに“仕組み”を

「やさしさ」や「想い」は、どこかふわっとしたものです。
だからこそ、それを支える“仕組み”が必要です。

地域の見守りネットワーク
・認知症の方が使いやすいお店や交通の工夫
・福祉や警察との連携

ひとりひとりの善意だけに任せるのではなく、
町ぐるみで「声をかけやすくする環境」を整えることが、
認知症にやさしい町づくりの第一歩になるのではないでしょうか。

 

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■ まとめ:こわさを越えるために

「助けたいけど、こわい」

これは正直な感情です。

無理に押し殺すものではなく、「だからこそ、どうすればいい?」と立ち止まるきっかけにしたいものです。

認知症とともに生きる社会は、誰もが安心して暮らせる社会です。
その実現に向けて、まずは小さな「気づき」や「想像力」を持つところから。
わたしたちの町が、少しずつやさしくなっていけたらと思います。