生活相談員の基礎知識

生活相談員はケアマネの言いなりでいいのか?現場で感じた違和感とは

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介護現場で欠かせない存在である「ケアマネジャー」と「生活相談員」。
本来、立場は違えど、利用者さんの暮らしを支えるという同じゴールを目指す「パートナー」のはずです。

ですが、現場ではときに「言いたいことも言えない」「一方的に振り回される」といったモヤモヤを感じることもあります。

今回のケースでは、新規のショートステイ利用に向けて調整していた担当者会議に、ケアマネジャーが2度も連続で来なかったという事態が起きました。しかも、事前連絡もなければ、その後の連絡もなし。

このような出来事に直面したとき、生活相談員としてどう感じるのか?
そして、わたしたちは「ケアマネの言いなり」でいなければならないのか?

現場で実際に感じた違和感と、その背景について、生活相談員の立場から正直な思いを綴ってみたいと思います。

 

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

Xにほぼ毎日投稿しています。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

・kindle出版で『 対人援助一年目の教科書: 現役のプロが書いた実践で役立つスキルと心構え』発売しています。

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担当者会議、また来ない…

ショートステイを新規で利用する際には、事前に「担当者会議」を開くのが通例です。
ご利用者、ご家族、ケアマネジャー、そしてわたしたち施設職員が集まり、目的や支援内容を確認し合う大切な場です。

ですが実は、先日こんなことがありました。
担当ケアマネに約束していた会議を、2回連続ですっぽかされてしまったのです。

電話をしても「外出中」との返事。折り返しをお願いしましたが、待てど暮らせど連絡はなし…。
その後の謝罪も、説明もありませんでした。

利用者に罪はない。でも現場は不安

もちろん、利用者さんに責任はありません。
それどころか、ショートステイの利用を心待ちにしているご様子でした。

ですが、このような状態で受け入れても大丈夫なのか…現場としては、とても不安になります。

わたしたちは、何かあったときのために細かく情報を共有し、安全な体制を整えてから受け入れるようにしています。
そして、担当者会議はその出発点。そこが崩れてしまうと、支援の土台が揺らいでしまいます。

担当者会議=ただの形式じゃない

「担当者会議なんてどうせ形だけでしょ」と思う方もいるかもしれません。
でも実際には、会議は信頼関係を築く第一歩です。

たとえば、

  • どんな介助が必要か

  • どこまで本人が自立しているか

  • 持病や注意点はあるか

など、こうしたことを共有し、同じ方向を向くことが、利用者さんを支えるうえで欠かせません。

ケアマネと連携が取れないままでは、万が一のとき施設側が正しい対応をとれず、責任問題にも発展しかねません。

相談員はケアマネの下請けではない

ケアマネが忙しいのはわかります。
ですが、「約束を守る」「最低限の連絡をする」というのは、仕事の基本です。

生活相談員は、ケアマネの指示を受けるだけの存在ではありません。
わたしたちも一人の専門職として、「この人をどう支えるか」を真剣に考え、責任をもって動いています。

お互いにリスペクトを持って連携しなければ、良い支援なんてできないはずです。

「受け入れない勇気」も必要?

このままズルズルと利用を受け入れてしまうのは、現場にとっても、ご利用者にとっても不幸なことかもしれません。

  • 連絡がつかない

  • 情報共有ができない

  • トラブル時に責任の所在が曖昧になる

このケアマネから感じられる不安をそのままにしたまま支援することは、わたしたちにとって、そして何よりもご利用者自身のためになりません。
ときには、「今のままではお受けできません」と伝えることも、生活相談員としての大切な役割と言えるのではないでしょうか。

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おわりに

ケアマネジャーと生活相談員。立場は違えど、どちらも「その人の暮らしを支える」という同じゴールを目指しているはずです。
だからこそ、基本的な信頼関係を築くことが必要不可欠。

「生活相談員はケアマネの言いなりでいいのか?」
――その答えは、きっと“NO”です。

わたしたちも、もっと声を上げていかなければいけないと感じています。