みなさんは「ソーシャルワーカーデー」という日があるのをご存じでしょうか?
あまり耳なじみのない言葉かもしれませんが、実は福祉や医療、教育など、さまざまな分野で活躍しているソーシャルワーカー(社会福祉士や精神保健福祉士)に光を当てる大切な日なのです。
この記事では、ソーシャルワーカーデーの由来や目的、そしてこの日がどんな意味を持つのかをご紹介します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
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ソーシャルワーカーってどんな人?
まず、「ソーシャルワーカーってどんな人?」という疑問からお答えします。
ソーシャルワーカーとは、生活の中で困りごとや悩みを抱えている人に寄り添い、解決に向けて支援をする専門職のことです。
たとえば、
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高齢者や障がい者の相談にのる地域包括支援センターの職員
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医療機関で退院支援や療養生活の相談を行う医療ソーシャルワーカー(MSW)
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生活に困窮している人への支援を行う市役所の福祉担当者
など、働く場所も対象となる人も実にさまざまです。
一見目立たない存在かもしれませんが、社会の隙間を埋め、人と人、制度と制度をつなぐ、なくてはならない役割を果たしています。
ソーシャルワーカーデーとは?
そんなソーシャルワーカーにスポットライトを当てるのが、「ソーシャルワーカーデー」です。
日本のソーシャルワーカーデー
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実施時期:毎年7月第3月曜日(海の日)
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主催団体:日本ソーシャルワーク教育学校連盟、日本社会福祉士会など
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目的:ソーシャルワーカーを地域住民に広く認知し、関係団体の連携を強化する
ソーシャルワーカーでーは、2009年、社会福祉関係の全国17団体で構成される「ソーシャルケアサービス従事者研究協議会」によって設立されました。
海が「すべてを包み、生命を生み出す母胎であり、力強さにあふれている」ことから、ソーシャルワーカーに対する関心と理解を広げる象徴的な日として海の日が選ばれました。
ソーシャルワーカーデーには、専門職同士のつながりの強化や、地域社会の理解促進、一般市民への情報提供を目的として、全国各地で講演会やシンポジウム、相談会、パネル展示などのイベントが行われています。
なぜ「今」ソーシャルワーカーに注目するのか
高齢化が進み、家族のかたちや暮らし方が多様化していく中で、「誰に相談したらいいのかわからない」という声が増えています。
そんなとき、頼りになるのがソーシャルワーカーです。
ソーシャルワーカーは、生活上の困りごとを抱えた人に寄り添い、福祉サービスの活用支援や地域社会の課題解決、住みやすい社会づくりを担う福祉の専門職です。
制度のはざまで取り残されている人に気づき、必要な支援へとつなげる。
家族の悩みを丁寧に聞き、道筋を一緒に考える。
ときには制度を変えるために、声をあげる。
ソーシャルワーカーの仕事は、目には見えにくいですが、社会を下支えする縁の下の力持ち的な存在なのです。
わたしたちにできること
「ソーシャルワーカーデー」は、ソーシャルワーカーのためだけの日ではありません。
わたしたちひとりひとりが、“支える人を支える”視点を持つことが、この日を通して広がっていく大きな意義です。
たとえば…
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地域で開催されるイベントや講演会に参加してみる
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福祉の仕事に興味のある子どもや学生にこの日を紹介する
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自分や家族が困ったときに、気軽に相談できる場があることを知る
そんな小さな一歩が、支援の輪を広げていきます。
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まとめ
福祉の仕事は、派手ではないかもしれません。
でも、確実に誰かの人生を支えています。
7月の「ソーシャルワーカーデー」は、そんな仕事に携わるすべての人に「ありがとう」と伝える日でもあります。
そして、もしかするとわたしたち自身も、誰かにとっての“ソーシャルワーカー”になれるかもしれません。
ちょっと立ち止まって、身近な誰かのことを思う——
そんなきっかけになる1日になったらいいですね。

