介護予防・日常生活支援総合事業(いわゆる「総合事業」)のデイサービスを利用する際、「起算日」はいつになるのか?この点で迷う方は少なくありません。
現場で働く生活相談員やケアマネジャーでも、意外とよく理解していない方は多いのではないでしょうか?わたし自身、要支援者がデイサービスを利用する際には、この「起算日」がどこになるのかを必ず確認するようにしています。
この記事では、「総合事業デイサービスの起算日は契約日なのか、それとも利用開始日なのか?」という疑問について、わかりやすく解説していきます。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
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起算日は「契約日」が原則
総合事業デイサービスにおいて、起算日は原則として「契約日」です。
利用者と事業所がサービス利用契約を結んだ日が起算日となり、この日から月額の利用料を日割り計算することになります。
たとえば、6月5日に契約し、6月7日から実際の利用を開始する場合でも、利用料の計算は6月5日からとなります。
例外:双方合意で「利用開始日」が起算日もOK
ただし、利用者と事業所の双方が合意していれば「利用開始日」を起算日とすることも可能だそうです(わたしは実際にやったことがありませんが…)。
たとえば、引っ越しや体調不良などで「契約だけ先に済ませて、実際に利用するのは数日後から」というケースでは、双方で「利用開始日」を起算日にすることを合意しておけば、起算日を利用開始日にすることもできる、というわけです。
この場合、合意内容を契約書や覚書、利用申込書などにしっかり記録しておいたほうが良いと思います。
日割り計算はどうなる?
「起算日」によって、その月の利用料がどのように日割りされるかが決まります。
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契約日を起算日とした場合
契約日から月末までの日数で日割り計算します。 -
利用開始日を起算日にした場合
利用開始日から月末までの日数で日割り計算します。
どちらにしても、その月に実際に利用実績がない場合は請求できませんので注意が必要です。
具体例でイメージ
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例1
6月5日に契約、6月6日から利用開始
→ 起算日は6月5日(契約日)。日割り計算は6月5日から。 -
例2
6月5日に契約し、6月10日から利用開始だが、双方合意で6月10日を起算日にする
→ 起算日は6月10日(合意した利用開始日)。 -
例3
6月に契約したが、初回利用が7月の場合
→ 6月は実績がないので、請求は7月から。
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まとめ
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総合事業デイサービスの起算日は原則「契約日」
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双方合意があれば「利用開始日」を起算日にできる
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日割り計算は起算日からその月の月末まで
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実績のない月は請求不可
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トラブル防止のため、契約時にしっかり説明・記録を
ケースとしてはそれほど多くありませんが、起算日は利用料金に直結するため、現場や利用者ご家族の間で誤解やトラブルが起こりやすいポイントです。
だからこそ、「あとで揉めるくらいなら、最初にしっかり説明し、書面で合意を残しておく」ことが、一番の安心材料かもしれませんね。