生活相談員の基礎知識

予定通りに進まない?生活相談員が抱えるイレギュラー業務の現実

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介護施設で働く生活相談員の仕事について、「いったいどんな業務をしているんですか?」と聞かれることがあります。
ですが、正直なところ「毎日まったく違うことをやっています」としか答えようがないのが現実です。
日々の業務はスケジュール通りに進むことのほうが珍しく、むしろイレギュラーな対応の連続。
そこで今回は、わたしが実際に体験した“ある1日を例に、生活相談員の仕事のリアルな一面についてお伝えしたいと思います。

 

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

Xにほぼ毎日投稿しています。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

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朝イチから波乱のスタート

その日は、出勤してすぐに職員から「体調不良で休ませてください」と連絡が入りました。
こうした連絡は、現場で働く以上は避けて通れない“あるある”です。
休みが出ると、まず頭をよぎるのが「送迎どうしよう?」という問題。事前に組んでいた送迎ルートも、急な休みがあると調整が必要です。
自分や他の職員で手分けをして、遅れが出そうな利用者宅には事前に連絡を入れ、できる限り迷惑をかけないよう配慮します。
朝の段階で予定が大きく狂い、バタバタと慌ただしいスタートを切ることになりました。

午前中、急な利用依頼が舞い込む

送迎から戻り、「これで少し落ち着いたかな」と思ったのも束の間、今度は他事業所のケアマネジャーから電話が。
「あさってから急きょショートステイを利用したい利用者さんがいます」との依頼です。
この“あさってから”という急な新規利用の依頼も、現場ではけっして珍しいことではありません。

まず、ご家族やケアマネジャーと連絡を取り、本人の状態確認、入所前の聞き取り、書類準備、居室の調整など、やることは山積みです。午前中に予定していた仕事は、すっかり後回しになってしまいました。

午後は利用者の体調急変

ようやく昼食を取りながら一息つこうと思った矢先、今度は「デイサービスの利用者さんが体調を崩し、嘔吐している」と報告が入りました。
こうした急変時の対応も、生活相談員の大事な役割のひとつです。
まずは看護職員と連携し、状態の確認。
ご家族へ連絡し、今後の対応や帰宅の判断を行います。
ときには医療機関への連絡や、救急搬送の判断を迫られることもあります。

この日は本来、担当者会議に出席する予定が入っていましたが、急変対応が優先となり、やむなくキャンセルすることに。

イレギュラー業務を支える現場力と柔軟性

こうした「想定外」「イレギュラー対応」の連続が、生活相談員の仕事の大部分を占めていると言っても過言ではありません。「今日もなんとか乗り切ったな」と達成感を感じることはあるものの、正直ストレスは大きいです。「どうしてこんなに計画通りにいかないんだ」と思うことも、一度や二度ではありません。
決められたマニュアルでは対応できないことも多く、その都度“現場力”や“柔軟性”が求められるのです。
ときには自分の業務をすべて後回しにせざるを得ないのが、生活相談員の仕事と言えるでしょう。

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生活相談員の“リアル”を伝えたい

「人と接することが好き」「人の役に立ちたい」と思って生活相談員になった人も多いと思います。ですが、実際に現場に出ると、予想外の出来事や想定外の依頼が本当に多く、「自分のやりたいこと」よりも「目の前の困りごと」への対応に追われる毎日です。

予定通りにいかない日々、イレギュラー業務の連続。
それが、生活相談員という仕事のリアルです。

それでも、イレギュラー対応を重ねていくことで、「どんな状況でも誰かの力になれる」「現場を回せる自分になれる」という自信につながっていくのもまた事実。
決してスマートな仕事ではありませんが、この予測不能な毎日が、生活相談員のやりがいのひとつでもあります。

これからも、現場のありのままの姿や、生活相談員として感じる悩みや葛藤、そしてたまにはやりがいについても発信していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。