介護・福祉情報

【介護現場の記録】過誤申請で学んだ「同月過誤」と「通常過誤」の違いとは?

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こんにちは、介護施設で生活相談員をしているtakumaです。
今回は、介護保険サービスに携わる中で避けては通れない「過誤申請」について、わたし自身の実体験をもとにご紹介します。

最近、数年前からの請求ミスに気づき、保険者に確認しながら過誤申請の手続きを進めることになりました。
その過程で「同月過誤」と「通常過誤」という2つの制度の違いを知り、実務的にも大変学びがありました。

「言葉は聞いたことあるけど、違いはよくわからない」
そんな方に向けて、実務者目線でわかりやすく解説していきます。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

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過誤申請とは?

過誤申請とは、介護保険の請求に誤りがあった場合に、正しい内容に訂正するための手続きです。
たとえば、利用者の負担割合を間違えていた、算定できない加算を請求してしまった、などが典型的な例です。

過誤申請では、まず一度その該当する請求を「なかったこと(取り下げ)」にします。
そしてそのあとで、正しい内容に直したレセプトを改めて提出(再請求)する流れになります。

今回の請求ミスの内容

わたしが今回経験した請求ミスは、過去数年間にわたり、本来であれば国保連に請求すべき項目が漏れていた、というものでした。

幸いなことに、利用者さんや担当ケアマネジャーへの直接的な影響はありませんでしたが、事業所としては本来受け取れるはずだった報酬が未請求のままになっていた形です。

今回はたまたま発見することができましたが、こうした請求漏れがないように、その都度注意深くチェックすることの大切さを改めて実感する出来事でした。

保険者に確認して初めて知った「2種類の過誤申請」

今回の請求ミスは、数年前までさかのぼらなければならないものだったため、件数もかなり膨大なものに…。

「これは手がかかるな…」と覚悟しつつ、まずは管轄の保険者(市役所)に相談しました。
そこで教えていただいたのが、以下の2種類の過誤申請のやり方です。

通常過誤

  • 国保連への請求を一度「取り下げ」、改めて正しい内容で再請求する手続き

  • 通常、取り下げ申請 → 国保連が承認 → 改めて再請求、という流れ

  • 再請求までにタイムラグがあり、事業所の収入にも影響が出る可能性がある

同月過誤

  • 同じ月の中で「取り下げ」と「再請求」が一度に行える過誤申請

  • 差額のみの調整となるため、事業所の資金面の負担が軽減される

  • 「取り下げ→再請求」という手順が不要で、事務的にも負担が軽い

今回のケース:同月過誤で対応することに決定

通常の過誤申請の場合、文字通り「通常過誤」で対応するのが一般的です。

ただ、今回は、かなりの件数を処理することになります。通常過誤の場合、事業所に一度入った請求を全額取り下げ、その翌月以降に再請求をかけることになるため、取り下げる金額も膨れ上がってしまいます。

そのため、保険者と相談の上、取り下げと再請求が一度にできる「同月過誤」の手続きを行うことにしました。

注意したい「時効」の期間

過誤申請を行ううえで気をつけておきたいのが、「時効」の期間です。

介護報酬の過誤申請は、過少請求の場合、原則として「2年間」となっています。
たとえば、2025年5月に提供した介護サービスは、その月の翌々々月の1日、つまり8月から時効が進行します。ですから、2027年7月までが過誤申請のできる期間というわけです。

この「2年の時効」を過ぎてしまうと、どんなに事情があっても訂正や再請求ができなくなってしまいます。
だからこそ、日々の請求内容をしっかり確認し、ミスに早く気づくことがとても大切です。

 

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おわりに

過誤申請の手続きは、正直、やりたくない手続きのひとつです。請求ミスにより自事業所だけでなく、保険者、国保連、ケアマネジャー、そして利用者本人に迷惑をかけてしまうことになります。

とはいえ、介護現場ではミスは避けられないものです。そして、ミスに気づき、正しく対応することは信頼を守る行動でもあります。

今回、過誤申請という大変な作業を経験したことで、日々の記録の重要性や、早めの確認の大切さを身をもって学びました。過誤申請は面倒で大変な手続きですが、仕組みを理解し、早めに動くことで負担を減らすことは可能です。この記事が、同じように現場で過誤対応に悩む方の参考になればうれしいです。