こんにちは、生活相談員のtakumaです。
介護施設で働いていると、「生活相談員って現場経験がないと務まらないのでは?」という声を耳にすることがあります。
たしかに、現場経験があると仕事を進めやすい場面は多々あります。でも、それが「絶対条件」かといえば、そうではありません。実際、わたしの周りにも現場経験なしで生活相談員になって仕事をこなしている人もいますし、わたし自身も現場経験はありません。
この記事では、現場経験の有無にかかわらず、生活相談員としてやっていけるために必要な「本当のスキル」についてお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
・Xにほぼ毎日投稿しています。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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現場経験は“強み”になるが“必須”ではない
現場経験があると、介護職の気持ちを理解しやすく、職員とのコミュニケーションがスムーズになります。また、ご利用者やご家族への説明も、自分の体験を交えながらリアルに伝えられるのは大きな強みです。
たとえば「このタイミングでの移乗は大変ですよね」とか、「夜勤帯にトイレ誘導を何回もするのは現実的に難しいです」といった話も、経験者なら自然に出てきます。現場を理解していることは、生活相談員としての信頼感にもつながります。
しかし、それはあくまで「強み」であって、「なければできない」わけではありません。
2.“理解力”と“聞く力”があれば乗り越えられる
現場経験がなくても、日々の業務で介護職員や看護師などの専門職に話を聞くことで、必要な知識や感覚は身につけていけます。
重要なのは、「聞く力」と「理解力」。
相手の話を素直に受け止め、わからないことはそのままにせず、しっかり質問する姿勢。そして、自分なりに理解して、業務に活かす力。
たとえば、「この方は車いすでの移乗時に支えが必要」と聞いたら、その意味をすぐに理解できるか。その理解をもとに、家族やケアマネに的確に伝えられるか。そういった力が、生活相談員にとって何より大切です。
3.専門職との連携が相談員の仕事
生活相談員は「すべてを自分でできる必要」はありません。
介護のプロである介護職員や、医療のプロである看護師・医師と連携し、それぞれの専門性をつなぐ“橋渡し”の役割が求められます。
現場の細かいところは、専門職にしっかり確認すればOK。
「わからないことをわかっている」ことこそ、相談員としての安心感につながります。
4.現場経験がなくても“できている人”はいる
私のまわりにも、現場経験なしで生活相談員を始めた方がいます。最初は戸惑うことも多かったようですが、「とにかく話を聞く」「まず調べる」「動きながら覚える」を繰り返すことで、今では頼れる存在になっています。
「経験がないから不安」という気持ちは、誰しもあるもの。でも、それを補えるスキルや姿勢があれば、現場経験がなくてもやっていけます。
5.“自分の言葉”で説明できるようになるまでが大事
生活相談員の役割のひとつに、「ご利用者やご家族に対して、わかりやすく説明すること」があります。そのとき大切なのは、自分の言葉で伝えること。
誰かの言葉をそのまま借りて伝えるだけでは、相手の心には届きません。
理解したうえで、自分なりの言葉に置き換えて話すことで、信頼や安心を得られます。
現場経験がなくても、相手の立場に立って考え、聞いた情報を自分の中で噛み砕いて伝える——これができる人は、間違いなく相談員としての力を発揮できます。
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まとめ|現場経験がなくても、生活相談員はできる
現場経験があれば、それは確かに強みになります。
でも、経験がなかったとしても、理解力・聞く力・説明力があれば、十分に生活相談員として活躍できます。
大切なのは、「わからないことをそのままにしない」「自分の頭で考え、行動する」姿勢です。
もし今、「自分にできるかな…」と不安に感じている方がいたら、声を大にして伝えたいです。
現場経験がなくても、生活相談員はできます。あなたの力を必要としている現場はきっとあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

