「ケアマネとうまく話せない…」
新人生活相談員として働きはじめたばかりの頃、わたし自身も同じような悩みを抱えていました。
もともと人と話すのがあまり得意ではなく、いわゆる“コミュ障”気味な性格。そんな自分が、ケアマネジャーと円滑にやり取りできるのだろうか…と不安ばかりの日々でした。
ですが、少しずつ経験を積み、意識を変えていくことで、「話すのが怖い」「緊張する」といった感情は徐々に薄れていきました。苦手なのは変わりませんが、今は当時よりもスムーズに進められるようになったように思います。
そこでこの記事では、そんなわたしの経験をもとに、「ケアマネとうまく話せない」と悩む新人生活相談員さんに向けて、信頼関係を築くための3つの方法をお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
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顔と名前を覚えてもらってなんぼ
ケアマネとの関係づくりは、まず自分の存在を覚えてもらうところから始まります。
ケアマネジャーはたくさんの事業所と関わっており、生活相談員の顔と名前をいちいち覚えていられないのが現実です。
だからこそ、「あ、◯◯施設の○○さんね!」と顔と名前を一致させてもらえることが、第一関門になります。
わたしが意識していたのは以下のことです。
- まず自分がケアマネの顔と名前を覚える
- 電話だけのやり取りだけで終わらず、できるだけ直接会って話す機会をつくる
-
挨拶は明るく、自分から声をかけるようにする
一度や二度のやり取りでは印象に残りません。ですが、関わる回数を重ねること(=単純接触効果)によって、徐々に関係性が深まっていくものです。
「新人」という武器を活かす
新人という立場は、実はとても強力な“武器”です。
わたしは最初、わからないことを聞くのが怖かったです。「こんなことも知らないの?」と思われたらどうしよう、とビクビクしていました。
でも、あるとき先輩にこう言われたんです。
「新人のうちは、どれだけでも聞けるんだよ。今のうちに聞きな。」
それをきっかけに、わからないことは素直に聞くようにしました。
すると、ケアマネの方たちは嫌がらず、むしろ親切に教えてくれたのを覚えています。
ポイントは、“知らないこと”ではなく、“聞く姿勢”をどう見せるかです。
- 「はじめてのことで不慣れですが、ご指導いただけると助かります」と一言添える
- 教えてもらったら、必ず感謝の気持ちを伝える
- 同じ質問を何度もしないように、メモを取る
「新人だからこそできること」を恐れずに活かしましょう。
担当利用者の情報をしっかり把握する
ケアマネと会話する中で、最も信頼を得やすいのが「担当している利用者のことをきちんと話せること」です。
たとえば、「○○さん、どんな様子ですか?」と聞かれたときに、即答できないと頼りなく思われてしまいます。
逆に、「○○さんは今こういう状況で、ご家族はこう言ってました」と伝えられると、「この人はしっかり把握してる」と感じてもらえます。
わたしが意識していたのは以下のようなことです。
- 担当利用者の基本情報(家族構成、生活歴、疾患など)を頭に入れておく
- 最近の様子を簡単なメモにまとめておく(例:「食事量が落ちてきた」「家族が自宅での介護に不安を抱えている」など)
- ケアマネに話すときは、なるべく具体的なエピソードを交えて伝える
利用者の状況を踏まえたうえで、「こうした方が良いと思いますが、いかがでしょうか?」と提案できるようになると、会話の質が一気に上がります。
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まとめ
「ケアマネとうまく話せない」と感じているうちは、無理にうまく話そうとしなくても大丈夫。大切なのは、“関わる回数”と“誠実な姿勢”です。
わたしも、電話をかけるだけでも緊張していた時期がありました。
でも「まずは関わる機会を増やそう」と思い、短くてもいいから直接会う、電話する、書類を手渡しに行く、そんな小さな積み重ねを続けてみました。少しずつケアマネと顔見知りになるうちに、自然と会話のハードルが下がっていったんです。
- 顔と名前を覚えてもらってなんぼ。単純接触効果を活用しよう!
- 「新人」という武器を活かして、素直に聞く姿勢を大切に
- 担当利用者の情報をきちんと把握し、具体的に話せるように準備する
この3つを意識して取り組めば、ケアマネとの関係も少しずつスムーズになっていくはずです。焦らず、着実に。自分のペースで信頼を積み重ねていきましょう。