「このケアマネさん、悪くはなさそうだけど……ほんとに大丈夫かな?」
「ケアマネ選びで失敗したくない…良い人に担当してほしい」
ケアマネジャー(介護支援専門員)を選ぶとき、多くの方がこんな不安を抱きます。
ですが、正直なところ、最初の時点で“いいケアマネかどうか”を見分けるのは、ほぼ無理ゲーです。「誰にお願いしようか」と迷うだけ時間の無駄なのです。
この記事では、その理由について、現役の生活相談員が分かりやすくお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
・Xにほぼ毎日投稿しています。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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なぜ最初に「いいケアマネ」かどうか見抜けないのか?
1. 表面的な印象はあてにならない
最初の顔合わせでは、ケアマネ側も当然「良い印象」を与えようとします。
穏やかな話し方、親切そうな雰囲気、丁寧な説明…。それらはとても大切ですが、仕事の質や行動力、対応スピードまでは見えません。
2. 相性は“実際のやり取り”の中でわかってくる
どんなにスキルのあるケアマネでも、「合う・合わない」は人それぞれです。つまるところ、ケアマネとの関係性は相性。
たとえば、ご本人が「話をゆっくり聞いてほしいタイプ」なのに、テキパキ進めたいケアマネだとミスマッチになります。
これは、数回の訪問や相談を経て、初めて見えてくる部分です。
3. そもそも“何をもっていいケアマネなのか”は人によって違う
・まめに連絡をくれる人がいい
・制度に詳しく、説明が分かりやすい人がいい
・家族の話もじっくり聞いてくれる人がいい
――このように、求めることが人によって全く違うため、「誰にとってもいいケアマネ」は存在しないのです。
最初に見抜けなくても「あとから変えられる」
ここが大事なポイントです。
実は、ケアマネは後から変更することができます。
「この人とはちょっと合わないな…」
「話を聞いてくれない」
「対応が遅い」
と感じたときは、遠慮せず担当の変更を検討していいんです。
担当事業所や地域包括支援センターに相談すれば、手続きを進めてもらえます。
ケアマネ選びに正解はない。でも大事なことはある
最初に完璧な人を選ぼうとするよりも、「この人と一緒にサービス環境を整えていけるかどうか」という視点が大切です。
ケアマネは、要介護認定からサービス利用、施設選び、在宅支援の調整まで、長期的に関わる存在。
だからこそ、
「この人なら、困った時に相談しやすい」
「自分たちのペースを大事にしてくれそう」
と感じられるかが、一番大事な判断ポイントです。
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まずは“合うかどうか”を探る関係づくりから
- 最初から「いいケアマネかどうか」は見分けにくい
- 印象・相性・対応力は、関係を通して徐々に見えてくる
- だからこそ「変えてもいい」「まずは相談だけ」もOK
- 自分たちに合うスタイル・距離感を一緒に探していける人を選ぶのが◎
ケアマネ選びは、正解がないぶん不安もつきものです。
でも、「関係を育てていくもの」と思えば、少し肩の力が抜けるかもしれません。
焦らず、あなたとご家族にとって“ちょうどいい人”に出会えることを願っています。最後まで読んでくださりありがとうございました。

