4月。新しい環境、新しい人間関係、そして初めての介護現場。
不安や緊張でいっぱいの中、「早く仕事を覚えなきゃ」「先輩みたいに動けるようにならなきゃ」と焦る気持ち、よくわかります。
わたしも新人だった頃、「何をどこまで覚えれば一人前になれるのか」「自分は向いてないかもしれない」と思い悩んだ経験があります。
でも、今だからこそ伝えたいことがあります。
それは――介護の現場で本当に大事なのは、知識でも技術でもなく、“心の土台”だということです。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
・Xにほぼ毎日投稿しています。
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「心の土台」が何より大事な理由
介護の仕事は、“人と人”の関わりの上に成り立っています。
つまり、いくら知識が豊富でも、技術があっても、「この人と一緒に働きたい」と思われなければ、現場では通用しません。
一方で、まだ何もできなくても、「この人は信頼できる」「応援したくなる」と思われる新人さんがいます。
その違いは、“心の土台”がしっかりしているかどうか。
知識や技術は、あとからいくらでも身につきます。
でも、心の土台がないままでは、どんなスキルを積んでも、土台から崩れてしまうんです。
心の土台って、具体的にはどんなこと?
では、“心の土台”とは何を指すのでしょうか。
それは、以下のような姿勢や心がまえのことです。
素直さ
わからないことを「わかりません」と言える勇気。
注意や指導を受けたときに、まず受け止めようとする姿勢。
誠実さ
目の前の利用者さん、そして仕事に真摯に向き合う気持ち。
目を見て挨拶をする、真面目にメモを取る、それだけでも伝わります。
感謝の気持ち
教えてくれる先輩や、支えてくれるチームへの「ありがとう」。
小さな感謝を言葉にできる人は、周囲との信頼関係も早く築けます。
謙虚さ
「自分はまだまだ未熟」という自覚を持ち続けること。
背伸びせず、コツコツと学ぶ姿勢が、やがて大きな成長につながります。
伸びる新人は、みんな“心の土台”がしっかりしている
わたしが生活相談員として現場を見ていて、「この新人さんはきっと伸びるな」と思う方には、ある共通点があります。
それは、仕事ができるかどうかよりも、“姿勢”ができているかどうか。
例えば——
・メモをとって、その日の終わりに復習している
・わからないことを後回しにせず、先輩にすぐ相談している
・利用者さんとの関わりに、自然と笑顔がある
そんな方を見ると、「あ、この人なら大丈夫だな」と感じます。
逆に、覚えるスピードが早くても、報連相ができなかったり、感情のコントロールができなかったりすると、現場ではつまずきやすいです。
まとめ
介護の仕事は、チームで成り立っています。
最初のうちは“できる”ことよりも、“信頼される”ことの方が、ずっと大切です。
そして信頼は、「心の土台」から生まれます。
今はまだ、知識や技術が足りなくて当たり前。
でも、素直に、誠実に、そして感謝を忘れずに過ごすことで、自然とあなたの周りには応援してくれる人が増えていくはずです。
焦らなくて大丈夫。
心の土台を大切にしながら、少しずつ、あなたらしい介護職員への一歩を歩んでいきましょう。
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