介護業界ではパワハラが珍しくありません。わたしが働く施設も例外ではなく、この記事を書いている今現在も日常的にパワハラが横行しています。
怒鳴る、机を蹴るなど、暴力的な態度をとる上司。
感情的な上司に対し、意見を言えない職場環境です。
この記事ではわたし自身の経験をもとに、ブラック介護施設の実態、辞めたくても辞められない現実、そしてこれからどうするか考えていることについて正直に綴ります。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
・Xにほぼ毎日投稿しています。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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ブラック介護施設のパワハラ実態
机を蹴る、怒鳴るなどの暴力的な言動
わたしが今働いている介護施設では、わたしの上司として施設長が、そしてその上、法人のトップとして理事長がいます。主にわたしのストレスになっているのが、施設長である上司との関わりです。
その上司はひどく感情的。機嫌がいいときはいいですが、悪いときは感情むき出しで怒鳴り散らしてきます。特に朝は機嫌が悪く、感情むき出しで怒鳴り散らしてくることもしばしば。それがトラウマとなり、わたしは毎朝仕事に行くのが憂鬱です。
毎朝緊張しながら報告事項を伝えていますが、意に沿わないことがあると「ふざけるな!」「オレは聞いてない!お前のせいだ!」とすぐ感情的になります。さらにひどいときは、机を蹴ったり叩いたりといった行為も平然と行われています。
パワハラ気質な上司からの指導
そんな上司から受ける指導は、世間一般的に受け入れられないものがあります。
たとえば、わたしの部下が問題を起こしたとき、わたしはその上司から「問題解決する気あんのか?そんなだから下から舐めれれるんだ!俺なら壁蹴って怒鳴りつけるくらいする!」という指導を受けました。
部下の問題を解決できないわたしにも非はありますが、暴力に訴えて問題解決を図ろうとする姿勢を、わたしは受け入れられません。
意見を言えない職場環境
こんなこともありました。会議での出来事です。
上司から「仕事を楽しむために夢を持とう!何かやりたいことはないか?」と話があり、出席職員はそれぞれ意見を言い出しました。わたしの番になり、わたしは「SNSで情報発信がしたいです」と答えました。すると即座に上司から、「ボツ!お前の発信する情報なんてどうせゲロみたいなもんだ」と否定されてしまいました。
夢を語れと言っておきながら、いざ語ったら即座に否定され、受け入れてもらえないという仕打ちです。
ゼロベースで意見を求めておきながら、受け入れてもらえるのはあくまでも上司が気に入った意見だけ。上司の意向に逆らった意見を言えば怒鳴られるため、誰も本心を発言しなくなります。会議の場では、上司の言葉にただ頷くだけ。それが今の職場の現実です。
上司の顔色を伺いながら働く日々
そんな上司と一緒に仕事をしていて、いつの間にか自分が「上司に怒られないこと」を目的に仕事をしていることに気がつきました。
利用者のことよりも職員のことよりも、優先すべきは上司の顔色。こんなモチベーションで仕事が楽しいわけありません。常に顔色を伺いながら働くため、精神的に消耗してしまいます。
よく上司から、「職員を辞めさせるな」「俺が入れてもお前らはすぐに辞めさせる」と言われます。
職員を定着させるためにも、まず第一に心理的安全性が高い職場であってほしいと思います。机を蹴って怒鳴られる職場は、決して安全な職場環境とは言えません。職員が上司から怒鳴られている姿を見て、誰がこの職場で働き続けたいと思うでしょうか。
多くの職員がそう思っていても、意見を言って上司に怒鳴られたくありませんから、誰も進言できません。見て見ぬふりをして、自分に被害が来ないようにうまくやり過ごしている。それが今の職場の現状です。
労働局にパワハラ相談をしたが…
ここ最近のパワハラに耐えかねて、2025年2月、実際に労働局に相談してみました。
相談の結果、行政が事業所と従業員の間に介入することはなく、自分で直接事業所の窓口や法人代表に相談するしかないとのことでした。
事業所の相談窓口は施設長であるその上司ですし、法人の代表に直接相談となると匿名での相談は難しくなります。行政に相談したところで穏便にパワハラが解決することはなく、上司や法人と直接ぶつからなければならないことがわかりました。現状を打破したくて相談してみても、すんなりといかないようです。
パワハラ職場から抜け出したいのに辞めづらい理由
特にここ最近の現状に耐えかねて、わたしは「こんな職場から一刻も早く抜け出したい」と思うようになりました。ですが、退職するためには、乗り越えなければならない以下の課題があります。
「代わりを見つけてこい」と言われるプレッシャー
まず、上司に退職の意向を伝えることが、大きなストレスです。
介護業界は人手不足。わたしの職場も例外ではありません。募集をかけても人が集まらず、せっかく入った人もすぐに辞めてしまうのが現状です。
そんな状況下で上司は、「俺が苦労して採用してるのに、採用したやつをお前らはすぐに辞めさせる。俺はやることやってるのに、職員が辞めるのはお前らが悪いんだ!」と言い、職員に辛く当たってきます。
そんな上司ですから、わたしが「辞めます」と口にすれば、きっと激高するでしょう。そして、「代わりを見つけてこい」と言われるはずです。
わたし自身、部下の退職意思を止めたり、退職時期を引き伸ばしたりするよう、上司から指導を受けています。そんな職場だからこそ、人が定着しないのだと思いますが…。
退職の意向を切り出したときの、上司からの詰問と引き止めを想像すると、今から憂鬱です。
辞めると伝えてからの上司との関わりが怖い
もし辞めると伝えたら、これまで以上に上司からの当たりが強くなるのではないか。そう考えると、怖くて踏み切れない気持ちになります。
無視されたり、理不尽な仕事を押し付けられたりするかもしれません。いずれにせよ、わたしの想定外の話をされることは間違いないでしょう。退職までの期間が地獄になることを想像すると、なかなか決断できずにいます。
給料が下がることへの不安
今の職場を退職し、別の職場で働こうとする場合、今より間違いなく収入が下がります。売り手市場の介護業界ですから仕事には困りませんが、それと給料額とはまた別問題です。
退職したら今の生活を維持できるのか?
こうした不安が、今の職場に留まる理由になってしまっています。
辞めたとして、自分は何がしたいのか?
転職を考えるべきタイミング
転職すべきかどうか悩むところではありますが、「仕事に行くのが怖い」と感じたら、それはもう限界のサインなのかもしれません。このまま精神的ストレスが蓄積すれば、健康を損なうリスクもあります。それでは本末転倒です。自分の心と体を守るために、今が転職を考えるタイミングなのだと感じています。
「今の仕事は自分に合っているのか?」という疑問
15年間、介護の仕事を続けてきました。しかし、「本当に自分に合っているのか?」という疑問が常にありました。人と関わる仕事にストレスを感じることが多いわたしにとって、今の仕事は自分を変えるための「修行」としての意味合いが強かったのです。しかし、そろそろ自分の得意な分野に軸足を置いてもいいのでは?と考えています。
専門スキルを伸ばし、得意なことを活かす
とはいえ、今まで培ってきたスキルを活用したいとも思っています。そのため、介護業界から完全に離れるつもりはありません。ただし、今よりもホワイトな職場を探す必要があると感じています。
これまでの仕事内容は、組織内でのマネージャーとしての業務が多く、それが自分には合いませんでした。実は以前からマネジメントが好きではなく、プレイヤーとしての業務に専念したいと考えていました。現在の介護現場で培ったスキルをさらに伸ばし、より専門的な仕事に挑戦することも視野に入れています。
自分の時間を、自分が納得できることに使いたい
今の職場では、理不尽なことで怒られ、消耗するばかりの毎日です。そんな人生を続けるのはもう嫌になりました。
もっと自分が納得できるように時間を使い、自分のペースで働きたい。働く時間や環境をコントロールしながら、ストレスを最小限に抑えて働けるような働き方を模索していきたいのです。
まずは転職を成功させ、新たなキャリアを築いていくことを目標にします。
パワハラで悩んでいる方へ
わたしは15年働き続ける中で、「おかしいな?」と思うことが何度もありました。しかし、見て見ぬふりをすることでなんとか誤魔化してきました。
ですが、それではダメなのだと気づきました。おかしいと思ったことを放置していると、問題はどんどん悪化していきます。そして、残念ながら誰も助けてはくれません。自分でアクションを起こさなければならないのです。
パワハラに悩んでいる方には、まずは冷静に状況を整理し、自分にとって最善の選択肢を探してほしいと思います。逃げることは決して悪いことではありません。自分を守るために、必要な行動を取ることが大切だと思います。
早々に見切りをつけて、転職しましょ。
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わたしも、上司に退職の意向を伝えた後は、転職活動に移りたいと思っています。何も行動起こさないとメンタルやられるだけですから、お互い頑張って現状を打破していきましょう!
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まとめ
- 介護施設のパワハラに耐えながら働くことに限界を感じている。
- しかし、辞めることには不安もあり、すぐに決断できない。
- 自分の人生をどう生きたいのか?これからの働き方を真剣に考えていきたい。
この悩みを抱えているのは、きっと私だけではないはず。同じように苦しんでいる人に、少しでも共感してもらえたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。