ショートステイを利用する際は、何かあったときのために「緊急連絡先」をあらかじめ決めておく必要があります。
利用中に急病や事故などの緊急事態が発生した場合、どう対処するかをすぐに判断しなければなりません。そのため、施設側は事前に緊急連絡先を確認しておき、必要なときにすぐ連絡がとれるようにしておきます。
しかしながら、実際は緊急連絡先が決まっていなかったり、あってもすぐに連絡がとれなかったりすることがあります。では、もし緊急連絡先が機能しなかった場合、どのようなトラブルが発生するのでしょうか?
この記事では、ショートステイ利用時に緊急連絡先がないことで起こり得る問題点について解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
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ショートステイを利用する際、緊急連絡先の有無は利用者の安全を確保するうえで非常に重要です。利用者に急な体調悪化や事故が発生した際、施設側には適切な判断や対応が求められます。ですが、緊急連絡先がないと施設側だけでは判断や手続きができず、さまざまな問題が生じてしまうのです。
緊急連絡先がないことにより生じるリスクは、主に以下の3つです。
- 施設側が対応を決められず、適切な判断ができない
- 医療機関の受診や入院の手続きができない
- 退所時の受け入れ先がない
施設側が対応を決められず、適切な判断ができない
ショートステイは医療機関ではないため、利用者の健康状態が悪化した場合、どのような対応をとるべきか判断に迷うケースがあります。
たとえば、
- 軽い発熱や体調不良の際に受診すべきかどうか
- 持病が悪化した場合、どこまで様子を見てよいか
- 救急搬送すべきかどうか
こうした場面では、本来、緊急連絡先と相談しながら判断するのが理想です。しかし、連絡がとれない場合、施設の判断だけでは対応を決められず、適切な処置が遅れるリスクが生じてしまいます。
医療機関の受診や入院の手続きができない
ショートステイ利用中に体調が悪化し、病院を受診した場合、医療機関では治療方針や入院の可否について、家族などの関係者に同意を求めるのが一般的です。しかし、緊急連絡先がいない、または連絡がとれない場合、
- 治療方針の決定に時間がかかる(できない)
- 入院の手続きが進められない
といった問題が発生し、スムーズな対応ができなくなります。特に高齢者の場合、適切な処置が遅れると命に関わるケースもあるため、緊急連絡先の役割は極めて重要です。
退所時の受け入れ先がない
ショートステイは一時的な利用を前提としているため、利用期間が終わると退所するのが基本です。しかし、
- 体調が悪化し、自宅での生活が難しくなった
- 家族の都合で迎えに来られず、予定通りに退所できない
- 退所後に入所予定だった施設が受け入れ不可になった
といった理由で、自宅に戻るのが困難になることもあります。本来であれば、緊急連絡先である家族が退所後の受け入れを調整しますが、家族が不在または連絡がつかない場合、施設側だけでは対応ができず、行き場がなくなる可能性があります。
まとめ
緊急連絡先がないと、緊急時の判断や医療機関での手続きができない、退所時の受け入れ先がないといったトラブルが発生し、利用者本人の生活にも影響を及ぼ巣ことになります。
安心してショートステイを利用するために、あらかじめ緊急連絡先を決めておき、いざというときに確実に機能する体制を整えておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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