「“わたし”の話を聴いてください」
第1章では「相談とは何か?ということ」について、いわば“総論”のような内容でした。
続く第2章では、「相談に乗るための7つ法則」についてお伝えしていきたいと思います。
「相談に乗るための7つの法則」のうち、1つ目の法則は「ほかの人と一緒にしない」です。
例をもとに説明します。
長井さん(仮名)は、自動車販売店で働く23歳の男性です。
大学を卒業して就職し、営業部に配属されて半年が経ちました。
研修期間も終わり、お店に出て日々お客様に接してはいるのですがうまくいかず、営業成績が伸びないことが悩みです。
もともと努力家な性格で、毎日積極的にお客様に声をかけています。
しかし、大学では教育学を専攻していたため自動車に対する知識が浅く、長井さんはそのことに負い目を感じています。
そのため、お客様に自信をもって営業することができていないようです。
困り果てた長井さんは、職場の先輩である小島さん(仮名)に相談することにしました。
長井さん「小島さん。実は自分、どうやって営業したらいいのかわからくて…悩んでるんです。相談に乗ってくれませんか?」
小島さん「長井はまだ入社して半年だろ。だからできなくて当たり前。長井だけじゃなく新入社員なんてみんなそんなもんだし、俺だって若いころはそうだったよ。結果はそのうち出るようになるから。元気出せよ!大丈夫、大丈夫!」
長井さん「でも、このままだとノルマがこなせそうになくて…」
小島さん「ノルマを達成するには数をこなすんだぞ!来たお客さんに声かけてないんじゃないか?まぁがんばれよ!」
長井さん「(声は毎日かけてるんだけどなぁ…)はい、わかりました、がんばります。」
「営業の仕方に悩んでいる新入社員が、先輩社員に相談した」という、よくあるシチュエーションです。
小島さんは、長井さんを元気づけてあげようと明るく振舞ったつもりのようですが、どうやら長井さんにその思いは届かなかったようです。
長井さんからの相談に対して、小島さんはどう対応すればよかったのでしょうか?