生活相談員研究室

「生活相談員って何をする人なの?」その役割について解説します

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「生活相談員」っていったい何なの?

 

みなさんはじめまして。こんにちは。takuma@takuma3104 といいます。

大学を卒業してから医療・介護業界に身を置き、早10数年になります。

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そのうちの10年位は、「生活相談員」として過ごしています。

介護業界にいる人なら、生活相談員がどんな仕事をする人か、何となくイメージできるかもしれません。

しかし、この生活相談員っていう仕事、世間にどの程度認知されているのでしょうか?

 

初対面の方に自己紹介するとき、いつもこう思います。

「生活相談員って言われても…絶対わからないだろうなぁ(苦笑)」

相手の人だって、介護業界に理解のある人以外は、みなさん「ポカーン」状態です。

 

そもそも、この名前がよくないと思うんですよ。

この、「生活相談員」っていう名前の響き…

「なんか堅苦しくて、何をする人なのか伝わらない!

「もっと、何をする人なのかイメージできる名前にしたほうがいいんじゃないの?」

こんなことを思いながら、仕事してます(笑)

 

このブログ「生活相談員ラボ」では、そんな生活相談員について発信することで、

現在生活相談員をしている人はもちろん、これから生活相談員になろうとしている人を応援する

こと目的としています。(当サイト「生活相談員ラボ」の目的)

 

そしてこのページでは、「生活相談員って何なのさ?」という問いに対して、教科書的な答えではなく、わたしの経験を踏まえたうえでわかりやすく解説していきたいと思います。

生活相談員は「何でも屋」です

ズバリ、生活相談員は「何でも屋」です!

 

身もふたもない答えだね…

 

「何でも屋」という言葉に、ネガティブなイメージをもつかもしれません。

ですが、わたしは「何でも屋」という言葉に、生活相談員のリアル

 

とは、ポジティブに表していると思うのです。

 

「生活相談員」の歴史

2000年の介護保険法制定時に、「生活相談員」という言葉は生まれました。

それまでは、“生活指導員”と呼ばれていたみたいですね。1963年制定の老人福祉法に位置づけられていました。

“生活指導員”なんて、“生活相談員”よりもひどいですね…

指導って…

完全に、「福祉は上からの施し」「福祉は相手を“指導”するもの」という価値観の時代に生まれた言葉です。

(この価値観、現在でも根強く残ってますがね)

そして、高齢者施設には必ず配置されることとされていますが、なんとその業務内容を定めた法律等はありません。

「何となく施設には必要なんだけど、特にこれをやってほしいっていう仕事はないんだよね~。なんか問題起きたら対応しといてよ。あっ、ついでにこれもやっといて~」

みたいなノリで配置されてきたのが現在までズルズルきている、というところが「現実」なのではないでしょうか。

 

「何をする人かわからない」のは当たり前

前述のとおり、“生活相談員”には、仕事の内容が定められていないのです。

面白いですよね。

同じ業界内で言うと、例えば介護職員は「おもに利用者の日常生活の介護を行う」と、役割が明確です。

看護職員であれば、「おもに利用者の健康状態の管理を行う」です。

ですが、生活相談員の役割は、その施設によって様々なのです。

そもそも明確な決まりがないのですから、当然といえば当然なのですね。

法令の見直しが現在まで行われていないということは、

「ヘタに役割とか決めとかないほうが、何でもやってくれていいんじゃね?」

みたいな思いがあるのでしょう(笑)

生活相談員のことをよく、「何でも屋」と呼んだりします。

 

生活相談員は生活相談してりゃいいってもんじゃない!

配置基準に甘んじてはいけない

生活相談員は、「高齢者施設に配置しなければならないが、明確な業務は決まっていない」という、非常に微妙な立ち位置です。

では、高齢者施設で生活相談員に求められているものは何なのでしょう?

法令で決まっていない以上、これの答えは人それぞれなので、ここでは私の意見を述べたいと思います。

いち生活相談員としてわたしは、「配置しなければいけないから、いる」という受け身的なスタンスで仕事をするのは、生理的に嫌です。

初対面の方に「配置義務があるから、わたしはここで働いてるんですよ」なんて自己紹介はしたくないですからね。

生活相談員に求められているものは、「施設の資源を総動員して、相手により多くの価値を与えられるように調整をすること」だと思います。

ですから、わたしは「生活相談員は生活相談だけしてりゃいいってもんじゃない」って思います。

生活相談が生活相談員のすべてではない

生活相談をしっかりやってるからといって、生活相談員として合格点はもらえないと思います。

それは、生活相談という言葉が、生活相談員の仕事の本質を表しきれていないからです。

(表現がややこしくて伝わらないかもしれません。すみません…(笑))

 

つまり、「生活相談員に求められている役割は、生活相談だけではなくて、もっと広いですよ~」ということです。

相手に「うちのサービスを使ってよかった」と思ってもらえるように、あの手この手を駆使して、サービスをコントロールしていく、そんな役割が生活相談員には求められていると思います。

強いて例えるなら、結婚式場のウェディングプランナーとか、ホテルの支配人とかに似ているかもしれません。

よいサービスを提供するために生活相談員は、介護職員に必要な情報を提供したり、看護職員に利用者の体調確認をしたり、事務方に送迎ルートの申し送りをしたり、様々な調整を行います。

ウェディングプランナーが衣装部やシェフと事前の調整をしたり、ホテルの支配人が掃除係や食事係と連携をとったりするのと同じです。

ウェディングプランナーの仕事はお客様との打ち合わせだけなはずはなく、ホテルの支配人の仕事が、フロントでの対応だけであるはずがありません。

生活相談員は、生活相談も受けるけど、それだけじゃない。むしろ、それ以外の部分が重要だったりします。

「生活相談は、生活相談員がよりよいサービスを提供するためのツールのひとつである」と思うのです。

ですから、「生活相談員」という名称は、生活相談員の業務の全体を表していません。

「生活相談員」という言葉を使うことで、生活相談員の本来の業務範囲を狭めてしまっているため、この呼び名は適切ではありません。

例えば、調整役という意味の「コーディネーター」であったり、単に管理という意味だけに留まらない「マネジャー」といった名称のを使ったほうが、よりベターではないでしょうか。

「生活相談員」という言葉よりも守備範囲が広くなり、実際に行っている業務内容ともリンクしていると思います。

 

まとめ

なんだかんだ書いてみましたが、わたしは生活相談員という仕事が大好きです。

サービス業として奥深いものだと思っていますし、チームとして大きな価値を相手に提供できたときはとても嬉しいです。

一生学び続けられる仕事だと思います。

なので、この記事を通してちょっとでも、「生活相談員」を認知していただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。