介護の仕事をしていて、「利用者さんが転倒せず安全に過ごしてほしい」と、毎日のように思います。
事故が起こらないように、わたしたち職員は注意を払い、リスクを減らす工夫を積み重ねています。しかし、転倒を100%防ごうとすると、どうしても利用者さんの行動を大きく制限しなければなりません。
たとえば、自由に歩きたいという気持ちや、自分でトイレに行きたいという思い。それをすべて止めてしまえば、たしかに転倒のリスクは減るかもしれません。ですが、その分だけ“その人らしい生活”や“自立する力”を奪ってしまうことになります。それは本当に望ましい支援なのだろうか、と悩むこともしばしばです。
それでもやっぱり、転倒はしてほしくないもの。
どれだけ気をつけていても、事故が起きてしまうことがあります。
この仕事をしていて、一番つらいのは「利用者さんが転倒して骨折したとき」です。
ほんの一瞬の出来事が、その人の生活を大きく変えてしまうこともあります。
「防ぎたかった」「もしあのとき…」という後悔や、「自分の対応は本当に最善だったのか」という葛藤は、ずっと心に残ります。
特に、家族への謝罪の場面は、本当に苦しい。
事故が起きたときには、すぐにご家族へ連絡をし、状況を説明しなければなりません。
できる限りの対応をしたつもりでも、「ご迷惑をおかけしました」と謝るしかありません。相手の方が理解してくださったとしても、心の中では「自分のせいで…」という気持ちが消えません。たとえトラブルにならなくても、胸の奥には後味の悪さが残ります。
自分たちは、「利用者さんの生活が少しでもよくなるように」と日々考え支援を行っています。
それでも、転倒や骨折がきっかけで、その方の人生を悪い方へ変えてしまうことがある。その現実に直面すると、「自分は何をしているのだろう」と無力感に襲われます。
どれだけ経験を積んでも、転倒をゼロにすることはできません。
頭では理解していても、事故が起きてしまうと「もっとできることがあったのでは」と自分を責めてしまうのが正直な気持ちです
もちろん、事故を減らすためにできる工夫や努力はこれからも続けていきます。
けれど、リスクと向き合う苦しさや、支援者としての無力感を感じるのもまた事実。
まとまりのない文章でしたが、同じように悩みながら支援を続けている方がいれば、少しでもこの気持ちが届けばと思い、今日はこの本音を書いてみました。
