キャリアと自己研鑽

社会福祉士として大切にしたい専門性

※当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

わたしが社会福祉士として大切にしているのは、「人は白か黒かでは割り切れない存在である」という前提に立った支援の姿勢です。わたし自身、つい「こうすべき」「これが正しい」といった“正解”を探してしまいがちです。しかし、目の前のひとりひとりの状況や感情は複雑で、多くの場合、単純な答えは存在しません。

そもそも人は。本質的に「わからない存在」だと思います。相手の内面を完全に理解することはできません。だからこそ、「わからない」を前提に、相手を決めつけずに関わる姿勢が重要だと思っています。

たとえば、ある方の「大丈夫です」という言葉が、実は「つらい」「助けてほしい」というサインであることがあります。また、ある人に有効だった支援の方法が、別の人にはうまく機能しない場合もあります。だからこそわたしは、言葉通りに表面だけを捉えるのではなく、その背景にある思いや文脈を丁寧に読み取ろうとする姿勢を大切にしたいと思います。

また、支援のなかで判断や選択を迫られる場面では、白か黒かをはっきりさせるのではなく、その方にとって納得のいく「妥協点」や「現実的な落としどころ」を一緒に探ることが必要です。その人が抱える揺らぎや迷い、矛盾といった曖昧さを無理に整理せず、その人として尊重する姿勢が求められます。

そのために、自分自身が“正解主義”に陥らないように意識しています。ソーシャルワークの実践は教科書通りに進むものではなく、その都度状況に応じて考え、対話を重ねていく柔軟さが不可欠です。相手の気持ちも、自分の支援の在り方も変化していくものです。その変化や不確かさを受けとめ、支援を続けていく姿勢そのものが、社会福祉士としての専門性のひとつだと考えています。

人をひとつの枠や基準で判断せず、多面的にその人の存在を理解しようと努めながら、丁寧な支援を重ねていきたいと思います。