介護・福祉関連情報

読書メモVol.9『マイノリティデザインー弱さを生かせる社会をつくろう』

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本書の概要

読書記録

この本を読んだ理由

自分の専門である福祉分野の書籍は定期的にチェックして、面白そうだと思ったものはなるべく読むようにしている。コピーライター×福祉というものに新しさを感じた。2022/3/4読了。

100文字要約

これまでは強みで勝負してきた著者が障害のある息子と向き合い、「社会的弱者」は「発明の母」になり得ることを知った。マイノリティに広告的なやり方で光を当て、「できないこと」を「社会を変える切り口」にしていく。

本書から得た知見

① マイノリティデザインとは?

その人が持っていたマイノリティ性を起点にして、世界を少しずつよくしていくことを、著者は「マイノリティデザイン」といっている。「才能の使い道」をマス(だれか)ではなく、ひとり(あなた)のためにという形に著者の仕事をスライドさせていったことから始まった。使い捨てのファストアイデアではなく、持続可能なアイデアをデザインする。

② 弱さのポジティブな側面とは?

「苦手」や「できないこと」や「障害」や「コンプレックス」といったマイノリティ性は、「社会的弱者」という狭義の解釈ではなく「社会の伸びしろ」であるといえる。人はみな、なにかの弱者・マイノリティである。弱さだって自分らしさだ。そして、弱さの中には多様性がある。強さだけではなく、その人らしい「弱さ」を交換し合ったり、磨き合ったり、補完し合ったりできたら、社会はより豊かになる。

③ 弱さを生かすことはできるか?

たとえば「目が見えない」ということは、不便ではあるが絶対的に悪いことではない。 「目が見えない」という、ある意味での「弱さ」が、見方を変えると新しい価値になることがある。マイノリティだからこそ、社会のあらゆるところに潜んでいる不完全さに気づくことができるかもしれない。「ここ、危ないですよ!」「もっとこうしたほうがいいですよ!」と、その穴を埋めることで、健常者にとってもより生きやすい世界に変えることができるかもしれない。できないことは克服するのではなく、生かすことができる。誰かの弱さは、誰かの強さを引き出す力になる。弱さを強さにすることは可能である。

キラーフレーズ

僕の息子は、いわゆるマイノリティです。あらゆる社会構造が多数決で成り立っていたら、いつまで経っても彼が生きやすい世界にはならない。マイノリティは、声の大きさではなかなか勝てないから。でもマイノリティだからこそ、社会を前進させるヒントを持っている。(p.90)

 

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