介護・福祉関連情報

読書メモVol.1『〈弱さ〉を〈強み〉に』

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本書の概要

読書記録

この本を読んだ理由

福祉の仕事に携わるわたしは、いわゆる「弱者」と関わることが多い。また、相手だけでなく自分自身も社会的にみて弱者であると感じている。福祉の仕事はなかなか報われないものだ…。そんなある日、書店でこの本を見つけた。「弱さを強み」にというタイトルに心惹かれた。弱さを強みにする、という逆転の発想に面白さを感じた。そんなわけで読んでみることに。2022/4/29 読了。

100文字要約

14歳で重度身体障害者となりながらも大学、大学院の進学を果たし、博士号の学位を取得した著者。言葉を発することができないなど生きづらさを抱えた著者が、他者との関わりの中で自身の「弱さ」と向き合う。

本書から得た知見

① 重度訪問介護とは?

障害者総合支援法に基づく、重度障害者が地域で自分らしく暮らすための障害福祉サービス。在宅生活を送る重度障害者を対象としており、生活全般の介助を受けることができる。長時間の利用を前提としているため、1日24時間の介助を受けることも可能。

渡邉琢氏曰く、「当事者たちが運動によってつくってきたもの」であり、「当事者たちの地域で生きたいという思いがいっぱいつまった制度」。(別記事にてさらに詳しくまとめたい。)

② 配慮される立場から見た「合理的配慮」とは?

障害者が合理的配慮を受けるのは権利ではあるが、配慮を受けるために当事者は相応の責任を伴う、と著者は考えている。

また、他者から与えられるのを待つのではなく、個々の当事者自身が行動しなければ、必要とする配慮は受けられない。当事者が自分のニーズを発信して、何が合理的であるかを社会と対話しながら、つくり上げていくもの。それが合理的配慮である。

2016年に障害者差別解消法が施行され、民間事業者にも合理的配慮の努力義務が定められたが、「当事者が制度の上にあぐらをかいてはいけない」と、自戒をこめて述べている。

③ 他人に依存しながら生きてもいいのか?

誰もが何かしら、物や人に「依存」しながら生きている。だから、依存しない生き方を目指すのではなく、頼れる先をたくさんつくるという発想に立つことで、依存に対する認識をポジティブにすることができる。

依存すること自体は悪いことではない。とはいえ、重度障害で他者に全面的に依存しなければならないというのは、その他者との関係性に苦心することが多い。

キラーフレーズ

僕は介助なしでは何もできません。しかし、だから多くの人とかかわり、深く繫がり、ともに創りあげる関係性を築いていける、それが僕の〈強み〉になっています。能力がないことが〈強み〉なのです。(p.198)

 

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