『相談に乗る技術』執筆中

自分の感情をコントロールする(2)

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人は感情の生き物である

「人は感情の生き物である」といいます。ロボットではないわたしたち人間は、他人に対して様々な感情を抱くものです。そしてそれは、相談に乗る人も例外ではありません。相談に乗る人だって、相談者の価値観が受け入れられずに嫌な気持ちになることもあります。

しかし、そこで相談者に対してキレてしまったり、自身の感情に飲み込まれてしまってはいけません。その時点で相談は破綻してしまいます。そればかりではなく、その後の相談者との人間関係までもがぎくしゃくしてしまうでしょう。

先ほどの松岡先生がよい例です。松岡先生は、「一度始めたことを投げ出す」ということがどうしても受け入れられないのでしょう。そのため、野球部を辞めると言い出した矢内くんの価値観が受け入れられず、感情を爆発させてしまったのです。しかし、これでは相談になりませんよね。

相手の相談に乗るためには、自分自身の感情をコントロールすることが必要になります。コントロールといっても、なにも「あなたの感情をすべて排除してロボットになれ」というわけではありません。相談に乗るうえで相手との関係性を保つために、きちんと自分の感情をコントロールできるようになりましょう。

 

自分の価値観を知ろう

では、どうすれば自分の感情をコントロールすることができるのでしょうか?

とその前に、まずあなた自身の価値観について考えてみましょう。あなたはどんな価値観の持ち主で、どんな性格ですか?そして、どんなタイプの相談者が苦手ですか?

ちなみにわたしはのんびり屋タイプの人間なので、せっかちな人やせわしない人、まくし立てて話してくる人などが苦手です。性格的には穏やかなほうなので相手にキレるということはないですが、相手の話を聴いていてイラっとすることはあります。

また、わたしは物静かなほうなので、おしゃべりな人が苦手です。おしゃべりな人の言葉の量に圧倒されてしまうからです。ではわたしと同じように物静かな人が得意かというと、そういうわけでもありません。物静かな人はわたしのほうから言葉を引き出さなければなりませんので、これまた苦手です。そもそもコミュ障ですので、人とお話しすること自体が基本苦手なんですよね(笑)

このように、自分自身がどう感じるか、どう考える傾向にあるかを知ることを「自己覚知」といいます。要は、自分のことをよく知るということですね。自分のことを客観視して見ることはなかなか難しいことですが、あなたもぜひ一度自分自身について考えてみてください。