2021年の介護報酬改定により、介護報酬の改定率は0.7%の引き上げが決定しました。
https://www.joint-kaigo.com/articles/2020-12-17-2.html
しかし、それに対して一部の委員から異論が出たそうです。
https://www.joint-kaigo.com/articles/2020-12-19.html
曰く、「制度を支える現役世代にはこれ以上の負担増には耐えられない」とのことです。
わたしもたしかにそう思います。
介護報酬から給与をもらっている側からしてみたら、「介護報酬を上げてほしい」って考えるのですが、それって実は少数派で、「自分が払う介護保険料が高くなるのは嫌だ」って考えてる人が、むしろ世の中の多数派なのかもしれない
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) October 28, 2020
将来自分に戻ってくるかどうかもわからない社会保障費です。できることなら支払いたくない、払うにしても安いほうがいい、と考えるのが一般的だと思います。
ところで、あなたは「トレードオフ」という言葉をご存じでしょうか?
トレードオフとは、「何かを達成するためには何かを犠牲にしなければならない」という関係性のことです。
たとえば「勉強」と「遊び」、「仕事」と「恋愛」のように、あちら立てればこちら立たずになる、というような関係のことをいいます。
トレードオフは、介護業界における「介護報酬の額」と「サービスの質」の関係性に対しても当てはまります。
「何かを手に入れるには何かを手放さなければならない」というのがトレードオフの関係
介護業界において「介護報酬を上げる事」と「サービスの質を上げる事」はトレードオフの関係なのだから、金が出せないのならその代わりサービスの質は諦めてもらうしかありません
両立しようなんて都合良すぎです
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) December 20, 2020
厚労省は介護サービスの質を上げたい。しかし、介護報酬額は下げたい。そう考えていますね。サービスの質を上げるためにはお金が必要です。当たり前ですね。いいサービスを利用するためには、お金がかかるんです。逆に、お金を安く済ませたいのなら、高いサービスの質を求めるのは我慢しなければなりません。安くて質の高いサービスを求めるのは、都合のいい話です。
つまり、サービスの質を上げたいのであれば、介護報酬の額を上げなければならないということです。そしてそれは、介護報酬が上がらなければ、それなりのサービスしか提供できません。どっちもほしいなんてやっていたら、どっちも手に入りません。
ですが厚労省は、「お金は出さないけど質は上げてね」っていう無理な注文をしているわけですよ。
あれもこれもは無理です。「サービスの質」と「安い介護報酬」、どちらを優先するかを明確にしないと、どっちつかずで破綻してしまいます。
お金を削減したいなら、質は諦めてもらう。逆に、質を上げたいのであれば、お金を出す。どちらの方向性にするかを明確にして舵を切っていくことが国に求められているリーダーシップだと思います。しかし今の状況は、「お金は出さないけど質は保証してね」って言ってるようなものなので、このような国のスタンスが、介護業界の将来をますます無理ゲーにしているように思えてなりません。
これの何が問題かって、これ以上負担は増やしたくないくせにサービスの質は上げようとしてる事だと思う
金を出せないならそれなりのサービスしか受けられなくて当然なのに、ちゃっかりと高品質のサービスを求めてくる厚労省の図々しさには驚かされる
ファミレスで高級フレンチが食べられるわけないのに https://t.co/4PqwruIrD7— takuma@生活相談員 (@takuma3104) December 20, 2020