どーも
生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。
先日、このようなツイートをしました。
介護サービスは、介護報酬というフィルターを通してお金という価値に変換されている
そして、資本主義の日本において介護報酬による介護サービスの評価は低い
介護報酬というフィルターを通る前の介護サービスの本質的な価値を、きちんと評価してもらえるような時代にはやくなったらいいのに
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2020年4月3日
介護の仕事は、やればやっただけ儲かるという仕事ではありません。
いくら質の高い介護を提供したとしても介護保険という枠に当てはめられて、その結果もらえる介護報酬は一律です。
基準より高いサービスを提供することで、「加算」という形で通常より高い報酬をもらうことがあっても、その額は微々たるものです。
介護職員ひとりひとりの仕事内容で考えたときに、そこに圧倒的な技術の優劣があったとしても、介護報酬での評価は一律なのです。
例えば、訪問介護を利用します。
新人職員とベテラン職員とでは、提供できる技術に差は出ます。
一般的に考えて、ベテラン職員のほうが質の高いケアを提供すると思われます。
しかし、もらえる介護報酬はベテラン職員も新人職員も同じです。
たとえば
「カリスマ美容師だから、他の美容師よりもカット代を多くもらう」
といったようなことや
「iPhone11のほうが高性能だから、iPhone6よりも高い料金をもらう」
といったようなことが、介護保険ではできないのです。
市場経済であれば、カリスマ美容師やiPhone11など、他のサービスや商品と比べて需要の高いものには、そのぶん価格を高く設定できます。
カリスマ美容師は、ふつうの美容師よりも需要が高いから価格を上げることができるわけですし、iPhone11はiPhone6よりも需要が高いから価格が高いのです。
しかし、介護保険のルールにおいては、いくらカリスマ美容師でも他の美容師と一律同様の料金設定となります。
iPhone11もiPhone6も、介護保険のルールの下では、同じスマートフォンというサービスカテゴリだから同じ料金設定しかできない、ということになります。
介護保険のルールで生きるわれわれ介護従事者は、いくらその需要が高まったとしても、介護報酬で価格が決められているため、自ら価格を上げることができないわけです。
つまりお金が稼げない。
そのため
お金が稼げない=生産性が低い
とみられてしまう。
これが、介護の仕事は生産性が低いといわれる理由です。
仕方ないですよね。
生産性を高めようにも価格設定が自由にできないのですから。
そして、さらにその公定価格が低いときている。
これはもう完全に無理ゲーです…
売り手が自由に価格設定できない時点で、資本主義の中で戦えるはずがありません。
決して介護の仕事の生産性が低いわけではないんです
ただ介護報酬の公定価格が低いだけなんです
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2020年4月3日
でもこれって厳密に言えば、決して生産性が低いわけではないのです。
あくまでも資本主義における評価として生産性が低いというだけで、要はお金にならないってだけです。
ここでの評価に用いられているものは、あくまでも資本主義の物差しだということです。
資本主義における価値の物差しを使わなければ、みなさんが感じているように、介護サービスそれ自体は大きな「価値」を生み出しています。
その価値が、現在のの資本主義という物差しでは評価されない仕組みとなっているに過ぎないのです。
(まぁ、それが致命的なのですが…)
資本主義経済の中では、お金だけが価値として評価されます。
今後パラダイムシフトが起きて、お金以外のものにも価値が見いだせられる経済になったとき、介護業界の価値は今以上に高まると思います。
まとめますと、
介護サービスの公定価格が低く、
資本主義経済の物差しでは評価されていないから、
介護の仕事は生産性が低いといわれている
というお話でした。