介護保険は強制加入の制度ですので、40歳になると介護保険料を支払う義務が発生します。
この記事では、この介護保険料について取り上げたい思います。
ズバリ、「介護保険料って支払わなくてもいいの?」かどうかについてです。
介護保険料の未納という問題がありますが、これって裏を返せば、支払わない方法もあるってことではないでしょうか?
また、保険料を支払わなかったら何かペナルティがあるのでしょうか?
詳しくお伝えしたいと思います。
介護保険料っていくらするの?
まず、わたしたちは介護保険料として毎月どのくらい支払うのでしょうか?
これがミネラルウォーターの値段だったら、「高くてもだいたい100円くらいかな」なんて金額の当たりを付けることができますが、介護保険料の値段なんてなじみのないもの、いったいいくらするんだか見当が付きませんね。
国の統計によると、2018年度の65歳以上の人の介護保険料月額は、全国平均約5900円だそうです。
年間で約7万1000円の出費…
結構な金額です。
7万円あったら、毎年海外旅行にだって行けちゃいますね。
ちなみに介護保険開設当時、2000年度の65歳以上の人の介護保険料は、月額約2900円でした。
ほぼ2倍に増えています!
どれだけ介護保険制度が見切り発車だったことか…
保険料の納め方
40歳以上65歳未満の人
会社勤めの人は、給与から介護保険料が天引きされています。
ですので、介護保険料を支払わないという選択は事実上困難であり、支払わざるを得ないシステムになっています。
一方自営業者などは、国民健康保険料と一緒に支払います。
納入通知書が世帯主宛てに届き、口座引き落としや自身で金融機関等に行き納付するなどします。
これを普通徴収といいます。
ですので、当然に未納が発生してしまいます。
自主納付というシステムを取っている以上、やむを得ないことです。
『自分で払わなければいけない』=『払わないという選択ができる』となってしまいますものね…
ここから介護保険料の未納は生まれています。
65歳以上の人
65歳以上の人は年金を受給していますので、年金からの天引きとなります。
ただし条件があり、年間で18万円以上年金受給している場合です。
ですので、年間18万円未満の受給額の場合はこれまた普通徴収となり、払わないという選択肢ができてしまっています。
保険料が未納となる場合
未納にならない人
前途の通り、会社員は保険料が給与から天引きされているため、未納になることはありません。
また、年金を年間18万円以上受給している方は、年金から天引きされますので、未納になることはありません。
未納となる可能性のある人
保険料を自分で納めなければならない自営業者や、65歳以上で年金が年間18万円未満の方は、ご自身で納付をしなければならないため、未納となる可能性があります。
保険料を滞納してしまうと?
延滞金の発生
納付期限までに介護保険料を支払わないと、延滞金が発生します。
延滞金の額は自治体によって異なるようですが、ここでは7%と仮定します。
介護保険料の月額平均5900円を1年間滞納したとすると、年間で約5000円の滞納金が発生することになります。
また、延滞金に加えて以下の給付制限がかかります。
滞納期間1年以上1年半未満の場合
介護サービスを利用した場合に、支払いが償還払いとなります。
償還払いとは、一旦全額を支払って後で戻りをもらうという方法です。
例えば一割負担で2万円であれば、一旦20万円を支払い、後で差額の18万円が戻ってくるという形です。
滞納期間1年6ヶ月の場合
償還払いで戻ってくるはずのお金から、滞納分の保険料が差し引かれます。
先程の例であれば、戻ってくるはずの18万円から、滞納していた保険料が差し引かれるということになります。
2年以上滞納した場合
介護保険法により、納付期限は2年までと定められています。2年を過ぎると、保険料が納付できなくなってしまいます。
そのうえ、介護サービスの自己負担の割合が引き上げられてしまいます。
1~2割の自己負担の人は3割の自己負担に、3割負担の人は4割の自己負担になります。
さらに、高額介護サービス費の支給が受けられなくなります。
ここまでされると、完全アウトですね…
まとめ
そもそも、滞納させちゃうような制度にしなければいいのに、というのが正直な感想です。
国は保険料を滞納した時の仕組みをつくるより、滞納せずに納付できるような仕組みをつくって、取りっぱぐれないようにした方がよいのではと思ったりします。
書面での通知って、支払いを忘れること結構多いと思うんですよね。
そんな普通徴収の制度なんてやめちゃって、全て自動で天引きされるように仕組み化した方が効率的です。
わざわざ滞納者が出る仕組みをつくって、滞納金の回収する仕事を増やして、回収する人の給与に税金が当てられるなんて悪循環ですよね。
だったら別のことにその税金を使ってほしい、なんて思った次第です。