どーも
生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。
今回は研修形式でお送りします。内容は、「介護施設」と「施設外職員」との関係性から考える共存共栄の仕方です。どうぞよろしくお願いします。
それでは、研修を始めたいと思います。
目的の共有
まずはじめに、この研修の目的について共有しておきたいと思います。
この研修では、まず「介護施設がなぜ施設外職員を大切にしなければいけないの?」ってことについて、お話していきたいと思います。施設外職員を大切にする理由ですね。
その次に、「じゃあどうしたら施設外職員に気持ちよく関わってもらえるのか?」ってことについて、一緒に考えていきたいと思います。
なぜ施設外職員を大切にするの?
施設外職員がいる意味とは?
ではさっそく研修に移りたいと思います。
まず、みなさんに考えてほしいことがあります。
もし、施設外職員がいなくなったら…どうなると思いますか?
ちょっと考えてみてください。
ここで言う施設外職員とは、例えば厨房の委託職員、ボランティアで来てくれる人、オムツや物品などの業者、訪問カットで施設に来てくれている人たちのことです。
どうでしょう?考えてみましたか?
けっこうしんどいですよね、施設外職員を抜きにして施設を回していくのって。けっこう無理だと思いませんか?
例えば、厨房の職員がいなかったら、代わりにわたしたちで食事つくれますかね?
利用者から希望があったときに、わたしたちで利用者の髪の毛切れますかね?
もちろんできませんよね。
「委託じゃなくて直接雇えばいいじゃん」て思うかもしれませんけど、でもじゃあ栄養士や調理師を雇うのに、どれだけ人件費がかかるのかって問題がありますよね。
それに床屋さんなんて、常にいなくてもいい人を常に雇っておくのももったいないじゃないですか。
必要なときにだけ来てもらえればいいわけですから。
でも、利用者は食事とか、床屋さんとか、そういうサービスを求めています。
だから、わたしたちは委託の厨房職員や外部の床屋さんに依頼をして、料理を作ってもらったりとか髪の毛を切ってもらったりする必要があります。
つまりまとめますと、施設外職員は、施設内で自前でまかなえないことを、ピンポイントで効率的に補ってくれる超重要な存在であるっていうことが分かっていただけると思います。
これが、施設外職員がいる意味になります。
施設外職員がいることで、自前でまかなえないことを効率的に補うことができます。
施設外職員のメッセンジャー的役割
施設外職員にはもうひとつ、重要な役割があります。
それは、わたしたちの施設のメッセンジャー的な役割です。
つまり、わたしたちの施設の様子を良くも悪くも外へ伝えてくれるという存在です。
ここがポイントで、「良くも、悪くも」ですので、悪いこと、例えばボランティアの人が来てくれたときに印象が悪かった、とかになると、そのボランティアの人は別の施設に行ったときに、そのことを話します。
知り合いの人や家族にだって、悪いうわさが広まってしまいます。
実際にあった話ですが、歌謡曲のボランティアの人がわたしたちの施設に来たときに、「この前行った施設は対応が丁寧だった」っていう話をしていましたが、「あそこの施設は職員が静かで盛り上がらなかった」って言ったりもしていました。
こんな感じで、よくない対応をしていると、そのことを外で話されてしまいます。
そしたら、わたしたちの施設の人気、なくなっちゃいますよね。
でも逆に、いつもいい対応をしていれば、よい評判ができあがってくるはずです。
施設外職員を大切にしていれば、彼ら彼女らはわたしたちの施設の強い味方になってくれます。
ですから、日頃から施設外職員は大切にする必要があります。
良くも悪くも、施設の中身が外に伝わります。
(良い対応をしていれば、強い味方になってくれます。)
介護施設は施設外職員のおかげで生かされている
なぜ施設外職員を大切にするのかという問いへの答えとしては、それは「わたしたち介護職員は施設外職員のおかげで生かされている」から、ということだと思います。
先ほど申し上げたように、施設外職員がいなければ施設は回りません。そして、口コミや評判は人づてに広まります。施設外職員は、実際に自分たちの目で見ているわけですから、噂で聞いた話とは違って、正しい実話ですからね。
ですから、わたしたちは施設外職員を大切にしなければならないわけです。施設外職員に対してのわたしたちの立ち居振る舞いが、めぐりめぐってわたしたちの評価につながっていることを忘れてはいけません。
介護施設は施設外職員のおかげで生かされています。だから、施設外職員を大切にしなければいけません。
施設外職員との良好なかかわり方とは?
施設外職員とは共存共栄を目指す
ここまでで、なぜ施設外職員を大切にするのかということについてお話しさせていただきました。
では、次にどうすれば施設外職員といい関係が築けるかについてお話していきたいと思います。
また皆さんに考えてほしいのですが、どうしたらいい関係が作れると思いますか?
ちょっと考えてみてください。
どうでしょう?
わたしが思う、施設外職員とのいい関係を作るための考え方は、「共存共栄を目指す」ということだと思います。
共存共栄って聞くと、ちょっと難しく考えちゃうかもしれないんですけど、要は、助け合いながら、お互いがお互いを盛り上げていくっていうことです。
なぜ、共存共栄かというと、「片方だけが得をする」という形ではお互いの関係性が長続きしないからです。
じゃあ、たとえば、わたしたちの施設と業務委託している厨房との関係性について考えてみたいと思います。
施設側は厨房へ、「食事をつくってください」っていうお願いをして、作ってもらっています。
もちろんただでお願いをしているわけではなくて、厨房へお金を支払っているわけです。
これがもし、まぁないですけど、もし厨房が「もっとお金がほしい」と、多額の金額を請求してきたらどうでしょうか。
厨房側としては、今よりもたくさんお金がもらえるからうれしいですよね。
でも、施設側としては、そのぶん今よりもお金をたくさん払わなければいけなくなっちゃいます。
厨房は気持ちいですけど、施設側は気持ちよくないですよね。
この関係性って良くないですよね。
たくさんのお金を支払うことで、相手は気持ちよくなってもらえるかもしれませんが、こっちは気持ちよくない。
それでもし、極論ですが、こちらがお金を払いすぎて、その結果施設がつぶれちゃったら、厨房も働き場所を失ってしまいます。
それは厨房にも迷惑をかけてしまうことになりますよね。
これの逆で、施設側が厨房を叩いて叩いてコストダウンさせていったら、いつか厨房がギブアップしてしまうわけです。
そしたら、わたしたちは厨房を失ってしまうわけですから、施設側もダメージを受けるわけです。
またいちから別の業者にお願いするってことになると、それまで築いてきた関係性をまたいちから作り直さなければならなくなりますから、お互いに損なわけですよね。
つまり、片方だけが得をしている関係性って、結局はダメなんです。
でも、この、業者は叩いて安くしてなんぼっていう考え方って、一昔前までは結構メジャーでしたよね。
取引先を叩いて叩いて、1円でも安くさせたほうが得である、みたいな考え方ってあると思います。
ですが、この考え方でできあがるのは、「今だけ」の関係性です。
長期的に良い関係性というのはつくれないです。
それでも、今まで多くの企業がこのやり方をしてうまくいっていたのは、日本の経済自体がプラス成長していたからです。
ちょっと話が大きくなってしまいますが、ちょっと前までは経済全体が成長していて企業が成長し続けられていたから、自分の所だけ考えて、相手の企業を叩いてても成長できたんです。
日本の企業は強かったから、叩いて叩いてってやっても、なんだかんだお互いに生きていけたんですね。
他の企業の事なんて考えず、自分の都合だけ考えていても、社会全体が成長していたから成長できていたわけです。
でもそれでも成長できたのは、高度成長の時代までです。
今は、1円でも安くといって叩いていたら、そこに人は集まってこなくなります。
社会の成長が止まっている今は、自分の事だけしか考えていない人や企業は、間違いなく負けていく世の中になります。
自分のことしか考えていない人の所には、人が集まらないのと同じように、企業も、人と人との関係と同じです。
この世の中の変化に、合わせていくことができないと、負けてしまいます。
これからは、より本質的なことをやっているところが勝つみたいです。
お互いが気持ちよく過ごせるような社会や企業を目指さないと、生き残っていけないようです。
つまり、生き残りたいんだったら、自分の事ばっかり考えてちゃだめだよっていうことです。
そのために、施設外職員とは、お互いが気持ちよく過ごしていけるように共存共栄を目指していけるとよいと思います。
施設外職員とは共存共栄を目指しましょう
(「叩け叩け」「1円でも安く」では、長期的な関係が築けません。それでは、お互いにとってマイナスです。)
どうしたら喜ばれるのか?
相手のことを考える
「自分のことしか考えていない」という態度や、「相手に無関心」という態度は、人間関係だけでなく、施設と施設外職員との関係性にとってもNGです。
「相手のことを相手の立場に立って考える」ということ。
これをやっていく必要があると思います。
施設外職員だからといっておざなりに接していると、先にお話ししたような、マイナスのメッセンジャーになってしまい、結局は自分たちに跳ね返ってくるわけです。
もし本当に「自分の事しか考えない」のであれば、むしろ、相手に関心をもって相手の立場に立って物事を考えたほうが、結果的に、自分の利益になりますからね。
「自分の事しか考えない」というのは、結局は自分の事すら考えられていないのだと思います。
まずは相手のことを考えることです。
自分の事を考えてくれる人の所に、人は集まります。
また、施設外職員だからといって、自分よりも下の存在として見てしまうことはないでしょうか。
施設外職員と関わるときだけ、妙に上から目線になって、関わってしまうことってないでしょうか。
こういったところに、普段から気を配れていけるかということが、大切なのだと思います。
ギブ&テイクの関係性作り
よい関係性をつくるためには、与えられるのを待っていてはダメです。
ちゃんとこちらから相手に与えないと、自分たちは与えられないですし、それでは幸せにはなれません。
だから、受け取っているだけではダメなんです。
相手のことを無視していてもダメなんです。
自分のことだけ考えて、自分の権利だけ主張したってダメなんです。
相手からいかに多く受け取るかって発想ではなく、いかに多くを与えられるかという発想ができないと、結果的に自分の首が閉まっていくと思います。
たとえば、働いてるんだから給料を上げてくれとか、人が少ないから増やしてほしいとか、自分たちの権利ばかり主張していったとします。
それで結果的に給料が上がって人も増えたとします。
どうなるでしょうか?
倒産して、無職です。
今までは黙ってても経済が成長していたからそういう人も生きてこれましたけど、これからはねって話です。
「与えられて当たり前」っていう権利ばかり主張した考えでは、施設外職員は離れていってしまいますし、それは自分たちもやっていけなくなります。
ですから、与えてもらうためには、それなりの事をしなければいけないわけです。
ギブ&テイクと言いますが、テイク…受け取るですね。テイクしてもらうためには、先にギブしなければならないです。
日本語だと「持ちつ持たれつ」になりますが、やはりまずは持つのが先なんですね。
先に持つことで、後で持ってもらうことができます。
何かを受けるためには、自分が先に何かを与えないと、そりゃ何ももらえないよねってことです。
そのためには、普段ただダラダラと過ごしていたり、施設外職員と関わっているのではなく、日頃から常にアンテナを立てて、相手の先回りをして考えていくことが必要だと思います。
ギブ&テイクの関係性を築きましょう。そして、まずは自分からギブできるようになりましょう。
以上、ここでは「介護施設」と「施設外職員」との関係性から考える共存共栄の仕方についてお話させていただきました。最後までお聞きくださってありがとうございました。