「認知症」っていう言葉は聞いたことあると思いますけど、「ふつうの老化となにが違うの?」って思うことありませんか?
ここでは、認知症と老化の違いについて、簡単にご説明したいと思います。
認知症とは
「認知症」は、いろんな病気がきっかけとなって脳がダメージを受け、もの忘れなどによって日常生活が大変になってしまう状態のことをいいます。つまり、認知症は病気が原因なのです。それによって、もの忘れなどの症状が現れてしまうのです。
認知症と老化の違い
老化によるもの忘れ
でも、年をとれば認知症でなくてももの忘れくらい出てくるものです。では、認知症によるもの忘れと、老化によるもの忘れは何が違うのでしょう?
人間はみんな歳をとります。歳をとるにつれ、足腰が衰えていくのと同じように、脳の働きも衰えていきます。これが老化です。脳が衰えていくと、新しいことを覚えにくくなったり、ものをしまった場所を忘れてしまったり、人の名前を思い出せなくなることがあります。
たとえば、友だちと遊ぶ約束をしたとします。でも、その約束の日がいつだったかや、何をするんだったかを忘れてしまうことがあります。これはもの忘れです。このようなもの忘れは、若い人でもたまにありますよね。高齢になると、脳の衰えにより、このようなもの忘れが増えていくのです。
認知症によるもの忘れ
それに対して認知症は、友だちと遊ぶ約束をしたことそれ自体を忘れてしまいます。そうはいっても、「約束なんてすっぽかしちゃうことが多いよ」なんて人もいるかもしれません。でも、そんな人でもたいてい周りから言ってもらえれば思い出しますよね。ところが認知症の人は、約束をしたという記憶自体がなくなってしまうので、周りから言われても思い出すことができません。
昔のことは覚えている
一般的に記憶は新しいものからなくなることが多いです。認知症の人で、ご飯を食べた後に「ご飯はまだかい?」と聞いてくる人が多いのはそのためです。直前のことは忘れてしまうんですよね。
これは逆を返すと、昔の記憶は覚えていることが多いということです。ですから、子どものころの話や仕事をしていたころの話をよくするようになります。
感情がなくなるわけではない
認知症によって記憶が障害されても、「うれしい」や「悲しい」などの感情は残っています。何をしたかは忘れてしまったとしても、そのときの感情は残っているのです。だから、なんでも忘れてしまうからといってバカにしたような態度をとってしまうと、認知症の人を傷つけます。
逆に、うれしいことがあれば、たとえそのときの記憶はなくなってしまっても、うれしい気持ちでいることはできます。認知症だからといって、なにもわからなくなるわけではないのです。
どうせだったら、うれしくなるようなことをしてあげたり、やさしい言葉をかけてあげたいですね。