介護報酬

「なぜ委託にこだわるのか?」介護予防ケアプラン報酬増を考える

※当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

社会保障審議会では、介護予防のケアプランの報酬をアップさせようという議論が行われているようですね。

https://www.joint-kaigo.com/articles/2020-08-21.html

この件について、わたしどうしても腑に落ちない点があるので、今日はそのことについて書きます。

それは

「なぜ委託にこだわるのでしょうか?」

ということです。

これなんです。この1点に尽きます。

なぜ委託にこだわるのか?

なんで委託にこだわるの?

だって、本来は地域包括支援センター(包括)の仕事なんでしょ?予防ケアプランって。

だったら、まずは包括内でどうしたら回せるか考えるべきでしょ。

委託ありきで考えるんじゃなくて。

あまりにも包括の業務が多すぎるのであれば、委託を推進するのではなく、そのあまりにも多い業務内容そのものをどうにかするべきではないのだろうか。

包括で予防ケアマネジメントをやりたいんだったら、やれるように包括の人員を増やす方向で考えたほうがいい。

それでどうしてもダメなら、いっそ切り捨てる。

つまり、委託はせずに業務そのものをどこかに移行する。

「包括で持つけど、委託ルールありね」っていうやり方が、一番中途半端。

包括の業務を減らしたいなら、委託なんかしないで素直に別の機関へ移行したほうがいい。

予防プランの報酬増って意味あるの?

あと、予防プランの報酬アップって、なんか意味あるんでしょうか?

「委託が進まないのは委託料が低いからだ」なんて、社会保障審議会・介護給付費分科会では、予防ケアプランの委託料を上げる話に話が飛躍しているようなんですが…

「外部委託をしやすくするために、報酬を上げる?」そんなことをして委託が増えると思っているのが謎。

じゃあ、委託料が増えたらケアマネは予防ケアプランの委託を受けたがるんでしょうかね?

いくら介護予防ケアプランを受けたからって、介護予防ケアプランの報酬より介護のケアプランの報酬のほうがいいに決まってるじゃないですか。

いくら報酬が上がったって、しょせん予防は予防。その程度の報酬では誰も受けたいとは思わないよ。

そもそも、委託を受けられるほどケアマネはヒマなのか?って話。

ケアマネはケアマネで、本業である介護のケアプランを抱えているわけだ。委託を受けられるほどケアマネだってヒマなわけじゃない。

できることならケアマネだって受けたくないよ、委託なんて。

そもそもケアマネが予防ケアプランを受けるのなんて、今まで介護で担当してた人が支援になってしまって、今までの関係性もあるから継続して予防ケアプランをつくるってケースくらいだと思う。

あとは、包括との関係性が悪くならないように受けたりとか、そんなところ。

報酬がちょっとくらい上がったからって、受けようという気になんかならないよ、ケアマネは。

さらに、今ケアマネはなり手が不足している。

ケアマネへの委託を増やすにしても、今度はケアマネのなり手を増やさないといけない。

同じ増やすんだったら、包括の人員を増やしたらって話にもなる。

厚労省が委託をすすめたい理由

厚生労働省のホームページにはこう書かれています。

業務負担が大きいとされる介護予防ケアマネジメント業務について、要支援者

等に対する適切なケアマネジメントを実現する観点から、外部委託は認めつつ、

引き続き地域包括支援センターが担うことが必要である。外部委託を行いやすい

環境の整備を進めることが重要である。介護報酬上の対応についても検討が必要

である。なお、居宅介護支援事業所が介護予防ケアマネジメント業務を担うべき

との意見もあった。

「厚生労働省 社会保障審議会介護保険部会意見 介護保険制度の見直しに関する意見」 よりhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08698.htmlhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08698.html

「要支援者に対する適切なマネジメントを実現する観点から、介護予防ケアマネジメントは包括が行わなければならない」という理屈を展開していますが…

結局のところ、なぜ移行ではなく委託をしていきたいのかはさっぱり理解できません。

いったいどこが本音なのでしょうね?

この問題、果たしてどうなることやら。

社会保障審議会・介護給付費分科会の今後の議論に期待したいと思います。